本研究の目的は,前研究により有限要素法と構造保存数値解法を結びつけて得られた「離散偏導関数法」を実用に耐えうるレベルまで引き上げるための基礎研究を行うことである. 本研究は第一に,L2射影作用素の概念を導入し,任意の偏微分方程式に対して常に機械的に構造保存有限要素スキームを構成可能であることを示した.これにより,ユーザーは所定の処方箋に沿うだけで自動的に構造保存有限スキームが可能になり,実用性が飛躍的に高まった.第二に,通常の有限要素法よりも計算コストが低く柔軟性が高い不連続ガレルキン法版の離散偏導関数法の原理を新たに提案した.
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