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2011 年度 実施状況報告書

離散・超離散系の保存量と可積分性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23560070
研究機関広島大学

研究代表者

伊藤 雅明  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10116535)

研究分担者 柴 雅和  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (70025469)
久保 富士男  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80112168)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード離散方程式 / 超離散 / 保存量 / 可積分 / 数式処理
研究概要

本研究課題の目的は離散系の保存量を探索する効率的アルゴリズムを開発し,それを数式処理システム上に実現することである.今年度は,有理式型の完全離散方程式(偏離散方程式)の保存量を探索するアルゴリズムとして,一様なランクをもつ差分方程式の保存量を逐次的に構成するアルゴリズムを作成し,それらが保存量であるための条件を求めた.また,そのアルゴリズムを実現するプログラムを数式処理システムREDUCE上に作成した.このプログラムにより,有理式型の保存量の分母分子の各々の次数を考慮しなくても探索することができるようになった.具体例としては,有理式型の離散方程式の一つであるLyness方程式の高次保存量を具体的に求めることができた.これらの保存量の構造を基にして,Lyness方程式の一般的な次数の保存量の具体的な形を求めるMAPLEプログラムを作成した. さらに,ランクが一様でない離散方程式に対しても上記のアルゴリズムが適用できるように,ダミーの重みを持った変数を導入することによって,より一般的な離散方程式に対しても保存量を求めることができるようになった. また,Lyness方程式の従属変数を離散化したk階のLyness max方程式については,第1,第2,第3の具体的な保存量を求め,元のLyness方程式に対応する保存量が存在することを示した.さらに,Lyness max方程式の一般的なn次の保存量を求めるための準備として,derivative Lyness方程式に対応するderivative Lyness max方程式を導いた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一様なランクを持つ方程式の保存量を求めるプログラムについては,実際の研究で使用できる程度のかなり大きな次数の保存量まで求めることができることを確認したので,この問題に関してほぼ予定通りである.ランクが一様でない方程式の保存量の探索については,未定係数の数が予想以上に膨大になり,コンピュータのメモリーの制限によって大きな次数の保存量の計算ができるところまでは至っていない.しかし,数値計算との併用によるゼロ判定のアルゴリズムを開発中であるので,この問題もまもなく解決できるものと期待している. また,Lyness 方程式およびLyness max方程式の保存量の構造についての研究は,次年度に行う予定であったが,こちらは当初の計画よりも少し早く進んでいるので,全体としてはおおむね順調に進展しているといえる.

今後の研究の推進方策

大きく分けて,以下の3つの点について研究を進めていく予定である.(1)数値計算との併用によるゼロ判定アルゴリズムの開発.(2)Lyness max方程式の一般的なn次保存量の構造の解明.(3)一般的な超離散方程式の保存量を求めるアルゴリズの開発.

次年度の研究費の使用計画

研究費の大半は,研究打ち合わせおよび成果発表に関わる旅費であり,昨年度に得られたLyness max方程式の保存量に関する成果を6月にギリシャで開かれる国際会議で発表する予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] On the associative algebra structures closest to algebra structures2011

    • 著者名/発表者名
      Fujio Kubo & Fumiya Suenobu
    • 雑誌名

      Journal of Algebra and Its Applications

      巻: 10 ページ: 365-376

    • 査読あり
  • [学会発表] 非ユークリッド的Hagen-Poiseuille 法則2012

    • 著者名/発表者名
      幡谷泰史,伊藤雅明,柴雅和
    • 学会等名
      日本数学会 中国・四国支部例会
    • 発表場所
      岡山大学環境理工学部
    • 年月日
      2012年1月22日
  • [学会発表] Study on algebra structures in terms of geometry and deformation theory2011

    • 著者名/発表者名
      Fumiya Suenobu & Fujio Kubo
    • 学会等名
      The sixth China-Japan-Korea International Conference on Ring theory
    • 発表場所
      Suwon (Korea)
    • 年月日
      2011年7月1日
  • [学会発表] 球面的距離により修正されたPoiseuille流2011

    • 著者名/発表者名
      幡谷泰史,伊藤雅明,柴雅和
    • 学会等名
      日本数学会
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2011年10月1日

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公開日: 2013-07-10  

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