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2012 年度 実施状況報告書

離散・超離散系の保存量と可積分性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23560070
研究機関広島大学

研究代表者

伊藤 雅明  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10116535)

研究分担者 柴 雅和  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (70025469)
久保 富士男  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80112168)
キーワード非線形方程式 / 離散方程式 / 超離散 / 保存量 / 数式処理
研究概要

Lyness方程式の従属変数を超離散化したk階のLyness max方程式については,昨年度に第1,第2,第3の保存量を具体的に求めたが,これが互いに独立であることをカソラチ行列式を用いて証明した.この結果については,ギリシャで開かれた国際会議(The 6th World Congress of Nonlinear Analysts)において発表した.また,Lyness max方程式のn次の保存量を求めるために,derivative Lyness方程式に対応するderivative Lyness max方程式を導出したが,これに対するLax-pairの一つの候補を見いだした.
また,分担者の一人である久保は代数計算に対して,その計算結果が計算順序によらない算法で代用するという手法を提案し,与えられた代数に最も近い結合代数を見つけるという幾何学的問題の定式化を行った.
また,粘性流体の運動を支配する非線形方程式(Navier-Stokes方程式)に対して,柴とともに球面的距離により修正されたPoiseuille流の厳密解を求めることに成功した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大きな次数の保存量をコンピュータによる数式処理を用いて求めるときに,膨大な未定係数の処理が必要となるが,これを現実的な時間の中で行うためには,メモリー容量および計算時間を削減するための手法が必要である.その手法として数値計算との併用によるゼロ判定のアルゴリズムの開発を行ってきたが,制限付きではあるがそのアルゴリズが機能し始めている.
また,Lyness max 方程式の保存量の構造の完全な解明には至っていないが,一般的な次数の保存量を求めるための補助方程式に対するLax-pairの候補が得られており,全体としてはおおむね順調に進展しているといえる.

今後の研究の推進方策

大きく分けて,以下の3つの点について研究を進めていく予定である.
(1)数値計算との併用によるゼロ判定アルゴリズムの完成.
(2)Lyness max方程式の一般的なn次保存量の構造の解明.
(3)有理式型の非線形方程式の保存量を求めるプログラムを用いて,
Lyness max 方程式以外の超離散方程式の解の振る舞いを調べる.

次年度の研究費の使用計画

研究費の大半は,研究打ち合わせおよび成果発表に関わる旅費である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] A Poiseuille flow of an incompressible fluid with nonconstant viscosity2013

    • 著者名/発表者名
      Hataya,Y., Ito,M. and Shiba,M.
    • 雑誌名

      Nonlinear Dynamics and Systems Theory

      巻: 13 ページ: 47-53

    • 査読あり
  • [学会発表] Invariants for the kth-Order Lyness Max Equation

    • 著者名/発表者名
      Masaaki Ito and Min Gao
    • 学会等名
      The 6th World Congress of Nonlinear Analysts
    • 発表場所
      アテネ大学,ギリシャ
  • [図書] Contemporary Ring Theory 20112012

    • 著者名/発表者名
      F.Suenobu and F.Kubo
    • 総ページ数
      235
    • 出版者
      World Scientific Pub Co Inc

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公開日: 2014-07-24  

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