本研究課題は,海洋プランクトンの進化過程を解明するための数値流体力学手法を確立することを目標にしたものであるが,この目標はほぼ達成することができたと考えている.海洋プランクトンの中でも特に多様な形態を示す放散虫に焦点をあてて,その進化過程を流体力学的な視点から検討した.特に,数値流体力学的な解析を行うために必要な形態解析の手法については,骨格構造の幾何学的な特徴を抽出する方法や骨組構造を解析する方法などが確立された.さらに,これらの方法を用いて行われた数値流体力学解析では,進化が進むにつれて,形態がより流体力を分散させる構造に近づいていく様子が明らかになった.
|