研究課題/領域番号 |
23560075
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
角田 和彦 日本大学, 生産工学部, 教授 (80177336)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 計算流体工学 / 複雑流れ / 有限要素法 / 粒子法 / コンピュータグラフィックス / ソフトウェア |
研究概要 |
本研究では、研究の目的を達成するために、これまで流れの層流モデルを対象に開発してきた指数関数型ペトロフ・ガラーキン有限要素法に基づくLES乱流モデルの開発、及びその解析手法によるチャネル内流れや基本形状まわり流れの乱流解析を行い、実験値や他解法の結果との比較を通して提案手法の妥当性及び適用性を検討してきた。また、自由表面やマルチフィジックス等を含むより複雑な流れの問題への適用を図るために、粒子法による数値解析も示してきた。特に、その粒子法による圧力計算をする際に擬似的な数値解が得られることが知られているが、前述の指数関数型ペトロフ・ガラーキン有限要素法の定式化で用いられた重み関数のアイデアを粒子法シミュレーションに拡張し、圧力場に関する数値解の安定化が図られることを明らかにしてきた。さらに、流れの可視化システムを統合したソフトウェアの構築も図ることを目的として、市販のソフトウェア(ANSYS CFX/Fluent)の利用に関する準備及びその性能等を調べてきた。その流れの可視化システム構築の最初の段階として、得られた数値データをコンピュータグラフィックスのアルゴリズムの一つであるマーチングキューブ法によってポリゴンデータに変換し、流体の表面を作成した後、POV-Rayを用いてレンダリングすることで流体をよりリアルに表現することを提示してきた。 また、関連する文献の調査並びに平成23年度に開催された幾つかの学会等(ICCES'11、2011年4月18日~21日、中国(南京);日本機械学会第24回計算力学講演会、2011年10月8日~10日、岡山;日本流体力学会第25回数値流体力学シンポジウム、2011年12月19日~21日、大阪)で研究発表あるいは参加し、研究の動向に関する情報収集も行ってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
提案手法に基づく複雑流れ(乱流)モデルの開発とその解析手法の妥当性及び適用性を確認でき、さらに、自由表面やマルチフィジックス等を含むより複雑な流れの問題への適用性も検討している。また、流れの可視化システムを構築するための方向性が概ね図られている。
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今後の研究の推進方策 |
大規模な複雑流れの数値シミュレーションを実行するには、多大な時間を要するために、より高速で高機能なコンピュータ資源が必要であり、今後、高性能なGPUコンピュータ等を利用した数値解析を行いたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
必要とする研究経費の主要部分は、乱流現象の数値シミュレーションに関するプログラム開発及び統合ソフトウェア構築のために利用する設備として、当該研究費と合わせてのより高性能なコンピュータ購入費、他解法との比較検討をするために購入する市販のソフトウェア費用、及び関連消耗品代である。また、研究の成果を発表するための旅費及び研究成果投稿料となっている。
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