研究課題/領域番号 |
23560075
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
角田 和彦 日本大学, 生産工学部, 教授 (80177336)
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キーワード | 計算流体工学 / 複雑流れ / 有限要素法 / 粒子法 / GPU / コンピュータグラフィックス / ソフトウェア |
研究概要 |
本研究では、研究の目的を達成するために、これまで流れのモデルを対象に指数関数型ペトロフ・ガラーキン有限要素法を開発してきた。そのアイデアは、有限要素法の定式化において指数関数型の重み関数を利用することにより圧力等の数値解の安定化を図っている点である。また、自由表面やマルチフィジックス等を含むより複雑な流れの問題への適用を図るために、粒子法による数値解析も示してきた。特に、その粒子法による圧力計算をする際に擬似的な数値解が得られることが知られているが、前述の指数関数型ペトロフ・ガラーキン有限要素法の定式化で用いられた重み関数のアイデアを粒子法シミュレーションに拡張し、圧力場に関する数値解の安定化が図られることを明らかにしてきた。その流れの可視化システム構築として、得られた数値データをCGのアルゴリズムの一つであるマーチングキューブ法によってポリゴンデータに変換し、流体の表面を作成した後、POV-Rayを用いてレンダリングすることで流体をよりリアルに表現することを提示してきた。以上の提案に関しては、CMESの論文(2012.4)で発表してきた。さらに、大規模な複雑流れの数値シミュレーションを実行するには、多大な時間を要するために、より高速で高機能なコンピュータ資源が必要であり、高性能なGPUコンピュータを利用した数値解析も行ってきた。その研究成果はCMESの論文(2012.12)で発表し、GPUによる大規模シミュレーションの可能性を提示してきた。 また、関連する文献の調査並びに平成24年度に開催された幾つかの学会等(ICCES’12、2012年4月30日~5月4日、ギリシャ;数理科学会 第31回数理科学講演会、2012年8月25日、東京;ICCES MM2012、2012年9月2日~6日、モンテネグロ)で研究発表あるいは参加し、研究の動向に関する情報収集も行ってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究での提案手法に基づく複雑流れモデルの開発とその解析手法の妥当性及び適用性を確認でき、自由表面やマルチフィジックス等を含むより複雑な流れの問題への適用性も検討し、さらに、流れの可視化システムを構築するための方向性が概ね図られた。また、大規模な複雑流れの数値シミュレーションの実行に向けて、高性能なGPUコンピュータを利用した数値解析も行い、GPUによる大規模シミュレーションの可能性を明らかにしてきた。以上の研究成果は審査付き論文として発表した。
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今後の研究の推進方策 |
工学的観点から自由表面やマルチフィジックス等を含む3次元の複雑流れの数値シミュレーションを実行し、その計算結果の評価をすることは価値がある。その際、コンピュータでの処理には多大な計算時間及び記憶容量を要するために、さらに高速で高機能なコンピュータ資源が必要となる。今後、3次元の複雑流れの問題に関し、最新の高性能GPUコンピュータを利用した数値シミュレーションを行いたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
必要とする研究経費の主要部分は、複雑流れの数値シミュレーションに関するプログラム開発及びソフトウェア構築のために利用する設備として、より高性能なコンピュータ購入費、得られた数値データを出力するプリンタ装置及び関連消耗品代である。また、研究の成果を発表するための旅費及び研究成果投稿料となっている。
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