研究課題
本研究では、形状および位置の異なる応力集中部を有する部材の疲労損傷を組織変化と微視的き裂の挙動の関係に注目して明らかにし、機械電子部品の設計データおよび耐疲労特性の改善のための物理的背景を示す。そのため24年度に引き続き,1)欠陥位置とき裂進展挙動、2)応力変動とき裂進展機構、3)超微細粒組織の切欠効果についての研究を並行して行った。それぞれの項目について、本年度得られた成果を以下に示す。1) 欠陥位置とき裂進展挙動:本研究では、等軸結晶を有するにも関わらず疲労損傷発生形態にECAP最終せん断面と関係した異方性が認められる本材料のき裂発生位置による疲労強度とき裂進展挙動の違いを解明する。昨年度、ECAPAせん断面が軸方向と45°の位置にき裂発生起点がある場合にき裂進展方向に応力レベル依存性があることが明らかにした。90°位置では,応力レベル依存性は表面では認められずき裂は軸方向に対しほぼ直角に進展した.しかし、内部方向の進展方向に応力依存性が認められた.2) 応力変動とき裂進展機構:本研究では、き裂の発生個所を特定した試験片を用いて、二段二重重複応力下での疲労試験を行い,き裂進展挙動に及ぼす応力変動の影響を検討した。EBSを用いて応力変動前後のき裂周辺の組織解析と併せ、表面の損傷状態の連続観察を行った.そして,動的再結晶による結晶粒の粗大化に応力の大きさと負荷順序が影響することを明らかにした.3) 超微細粒組織の切欠効果:一般に機械・電気電子部品は応力集中部を有するので、超微細粒銅の切欠効果を明らかにすることは設計上重要である.前年度までに、通常結晶粒寸法の銅と超微細粒銅の分岐点の切欠半径を明らかにした。本年度は、それぞれの応力集中係数を求め,最大応力と切欠半径に基づく線形切欠力学による評価を行った.
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