研究課題/領域番号 |
23560103
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
戸伏 壽昭 愛知工業大学, 工学部, 教授 (70103231)
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キーワード | 機能特性 / 形状記憶材料 / 複合材料 / 材料設計 / 物性 / 評価 |
研究概要 |
1.高機能を発現する形状記憶材料と形状記憶複合材料の開発 ポリウレタン系形状記憶ポリマーについて、形状固定の保持温度、保持時間および保持ひずみを種々に変化し、加熱後に回復するひずみから非回復変形の特性を表す二次賦形特性を評価した。その結果、Tg 以下の温度で保持すると形状回復率は長期間保持しても100%に近く、高い形状回復率を示すことを明らかにした。また、Tg 以上の温度で保持すると非回復ひずみが大きくなるので、二次賦形特性を成形加工に応用するためには、高温化で大きなひずみにより保持すると新たな形状賦与の効率が高くなることを明らかにした。さらに、変態温度の異なる形状記憶合金と形状記憶ポリマーの組み合わせからなる複合材料を開発し、温度変化に伴い3方向曲り挙動を示す形状記憶複合ベルトを提案した。 2.長期機能特性の評価 ポリウレタン系形状記憶ポリマーについて、長期間Tg 以上の温度で保持すると形状回復率が低下することを明らかにした。形状記憶合金の曲げ疲労特性に関して、両振り曲げと片振り曲げでの疲労寿命を調べ、片振り曲げげの疲労寿命が長いことを明らかにした。したがって、脳ベラなどに実用する場合には、曲げる方向を固定して使用ると長寿命での実用が実現できることを明らかにした。また、両振り曲げと片振り曲げでの疲労寿命を各サイクルにおける散逸仕事で評価すると、単一のべき関数で統一的に表わせることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.高機能を発現する形状記憶材料と形状記憶複合材料の開発 ポリウレタン系形状記憶ポリマーについて、形状固定の保持温度、保持時間および保持ひずみを種々に変化し、加熱後に回復するひずみから非回復変形の特性を表す二次賦形特性を評価した。その結果、Tg 以下の温度で保持すると形状回復率は長期間保持しても100%に近く、高い形状回復率を示すことを明らかにした。また、Tg 以上の温度で保持すると非回復ひずみが大きくなるので、二次賦形特性を成形加工に応用するためには、高温化で大きなひずみにより保持すると新たな形状賦与の効率が高くなることを明らかにした。さらに、変態温度の異なる形状記憶合金と形状記憶ポリマーの組み合わせからなる複合材料を開発し、温度変化に伴い3方向曲り挙動を示す形状記憶複合ベルトを提案した。これらの点は、研究計画通りに達成できた。 2.長期機能特性の評価 ポリウレタン系形状記憶ポリマーについて、長期間Tg 以上の温度で保持すると形状回復率が低下することを明らかにした。形状記憶合金の曲げ疲労特性に関して、両振り曲げと片振り曲げでの疲労寿命を調べ、片振り曲げげの疲労寿命が長いことを明らかにした。したがって、脳ベラなどに実用する場合には、曲げる方向を固定して使用ると長寿命での実用が実現できることを明らかにした。また、両振り曲げと片振り曲げでの疲労寿命を各サイクルにおける散逸仕事で評価すると、単一のべき関数で統一的に表わせることを明らかにした。これらの点は、研究計画通りに達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
1.高機能を発現する形状記憶材料と形状記憶複合材料の開発 ポリウレタン系形状記憶ポリマーについて、形状固定の保持温度、保持時間および保持ひずみを種々に変化し、加熱後に回復するひずみから非回復変形の特性を表す二次賦形特性を評価する。保持温度の形状回復率への影響を明らかにする。また、二次賦形特性を成形加工に応用するための条件を明らかする。さらに、変態温度の異なる形状記憶合金と形状記憶ポリマーの組み合わせからなる複合材料を成形し、温度変化に伴いより高機能な挙動を示す形状記憶複材料を開発する。 2.長期機能特性の評価 ポリウレタン系形状記憶ポリマーについて、長期間保持すると形状回復率が低下する現象を明らかにする。形状記憶合金の曲げ疲労特性に関して、両振り曲げと片振り曲げでの疲労寿命を明らかにする。また、加熱と冷却の繰り返しを伴う意場合の両振り曲げと片振り曲げでの疲労寿命を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.当該研究費が生じた状況 研究費の残額が54,275円になり、研究の遂行に有効にできなくなったので、次年度に使用する予算と合わせて有効に使用することにした。 2.翌年度以降に請求する研究費と合わせた使用計画 来年度の請求額50万円と合わせて、研究の実施に必要な材料の購入、研究発表の旅費および研究成果発表の経費に使用する。
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