1. TiNi形状記憶合金とポリウレタン系形状記憶ポリマーを組合わせてた形状記憶複合複合ベルトを作製し、アクチュエータとしての変形特性を明らかにした。2種類の形状記憶合金テープおよび形状記憶ポリマーフィルムを積層した形状記憶複合複合ベルトを作製した。この形状記憶複合複合ベルトは、加熱と冷却で3方向の曲げ変形を示す。 2. TiNi形状記憶合金ワイヤーに窒素イオンを注入すると変態温度は上昇し、応力誘起マルテンサイト変態の応力レベルは低下するために、超弾性を示すSMAが形状記憶効果を示すようになる。また、窒素イオンを注入することにより曲げ疲労寿命が長くなる。特に曲げひずみ振幅の小さい場合には、疲労き裂進展速度が低くなり、疲労寿命が長くなる。 3. 応力制御のサブループ負荷を受けるTiNi形状記憶合金について、負荷過程における応力誘起マルテンサイト変態の上部応力水平段において応力を一定に保持すると時間の経過と共にひずみの増加するクリープ変形が現れる。除荷過程における逆変態の下部応力水平段で応力を一定に保持するとひずみの減少するクリープ回復が現れる。 4. 両振りのねじりを受ける形状記憶合金テープの変形特性は、両振りに関してほぼ対象になる。ねじり疲労寿命曲線はべき関数で表される。ねじり疲労寿命は、両振りに対して片振りの方が長い。両振りと片振りの疲労寿命特性を1サイクル当りの散逸仕事で整理すると、両者の疲労寿命特性は単一のべき関数で統一的にあらわされる。 5. 応力制御のサブループ負荷を受けるTiNi形状記憶合金について、負荷過程における応力誘起マルテンサイト変態の上部応力水平段においてひずみを一定に保持すると時間の経過と共に応力の減少する応力緩和が現れる。除荷過程における逆変態の下部応力水平段で応力を一定に保持すると応力の増加する応力回復が現れる。
|