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2011 年度 実施状況報告書

新規無鉛圧電材料MgSiO3を用いた電荷刺激誘発型骨再生スキャホールドの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23560104
研究機関同志社大学

研究代表者

片山 傅生  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (70161065)

研究分担者 森田 有亮  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (80368141)
仲町 英治  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (60099893)
田中 和人  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (50303855)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード薄膜創製 / シリコン酸マグネシウム / 骨再生 / 骨代替材料 / スキャホールド / 骨髄細胞
研究概要

本年度は,圧電材料としてシリコン酸マグネシウム(MgSiO3)を用いた骨再生用足場材料の開発のために,MgSiO3薄膜の創製を行い,創製したMgSiO3薄膜の生体適合性の評価および分極効果が細胞の分化に及ぼす影響の評価を行なった. RF マグネトロンスパッタ法を用いてSi(100)基板上にMgSiO3圧電薄膜を成膜した.成膜したMgSiO3圧電薄膜の結晶構造を評価するため,X 線回折を行った.また,走査型プローブ顕微鏡を用いて成膜したMgSiO3圧電薄膜の表面電位の測定を行った.成膜されたMgSiO3圧電薄膜は,X 線回折を行った結果,MgSiO3(111)方位であることが確認された.また,成膜されたMgSiO3圧電薄膜の表面電位を測定した結果,MgSiO3圧電薄膜により表面電位が誘起されていることが確認された.MgSiO3圧電薄膜コーティングが骨髄細胞の増殖および骨分化に及ぼす影響を評価するため,7週令オスFisherラットの大腿骨より採取した骨髄細胞をMgSiO3圧電薄膜,Si 基板およびシリコンゴム上で培養し,各試験材料が骨髄細胞の増殖および骨分化に与える影響を評価した.MgSiO3圧電薄膜および生体適合性の確認されているシリコンゴム上で培養した骨髄細胞のDNA 量を比較すると,MgSiO3圧電薄膜上で培養した骨髄細胞のDNA 量が有意に高くなった.これより,MgSiO3圧電薄膜の生体適合性が確認された.また,MgSiO3圧電薄膜およびSi 基板上で培養した骨髄細胞のALP 活性およびCa 量を比較すると,MgSiO3圧電薄膜上で培養した骨髄細胞のALP 活性およびCa 量が有意に高くなった.このことから,MgSiO3圧電薄膜コーティングを施すことにより,試験材料表面に表面電位が誘起され,骨髄細胞の増殖および骨分化を促進することが示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の実施計画としては,基材上へのMgSiO3圧電薄膜の創製と圧縮負荷を与えた基材上で細胞培養を行なう培養装置の製作であった. MgSiO3圧電薄膜を成膜したSi基板の生体適合性を確認し,また基材に繰返し圧縮負荷しながら骨髄細胞を培養する装置の培養環境の確認を完了しており,概ね順調に進展していると評価できる.

今後の研究の推進方策

次年度は,基材上へ創製したMgSiO3圧電薄膜が骨髄細胞の分化および骨分化に及ぼす影響について評価する.

次年度の研究費の使用計画

基材上へのMgSiO3圧電薄膜の創製を行なうための基材およびMgSiO3材料費に使用する.また,骨髄細胞を用いての評価のため,骨髄細胞採取用のラット,培養関連の消耗品および生化学分析用試薬の購入に使用する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] MgSiO3圧電薄膜コーティングがラット骨髄細胞に与える影響2012

    • 著者名/発表者名
      奥田裕加里
    • 学会等名
      平成23年度関西学生会学生員卒業研究発表講演会
    • 発表場所
      関西大学千里山キャンパス(大阪)
    • 年月日
      2012年3月15日
  • [学会発表] 繰り返し圧縮荷重下における圧電材料BaTiO3がラット骨髄細胞に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      加藤優喜
    • 学会等名
      平成23年度関西学生会学生員卒業研究発表講演会
    • 発表場所
      関西大学千里山キャンパス(大阪)
    • 年月日
      2012年3月15日

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公開日: 2013-07-10  

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