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2012 年度 実施状況報告書

新規無鉛圧電材料MgSiO3を用いた電荷刺激誘発型骨再生スキャホールドの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23560104
研究機関同志社大学

研究代表者

片山 傅生  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (70161065)

研究分担者 森田 有亮  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (80368141)
仲町 英治  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (60099893)
田中 和人  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (50303855)
キーワード薄膜創製 / シリコン酸マグネシウム / 骨再生 / 骨代替材料 / スキャホールド / 骨髄細胞
研究概要

本年度は,圧電材料としてシリコン酸マグネシウム(MgSiO3)を用いた骨再生用足場材料の開発のために,MgSiO3薄膜の創製を行い,創製したMgSiO3薄膜の分極効果が骨髄細胞の分化に及ぼす影響の評価を行なった.また繰り返し圧縮負荷を与えたチタン酸バリウム上で培養した骨髄細胞の分化について評価した.
RF マグネトロンスパッタ法を用いてSi基板上にMgSiO3圧電薄膜を成膜した.またMgSiO3の圧電特性の改善のために,成膜後のアニール処理条件の探索を行った.成膜されたMgSiO3圧電薄膜は,X 線回折を行った結果,MgSiO3(111)方位であることが確認された.また,660度でのアニール処理が適していることが確認された.成膜されたMgSiO3圧電薄膜の表面電位を走査型プローブ顕微鏡を用いて測定した結果,MgSiO3圧電薄膜により0.8V程度の表面電位が誘起されていることが確認された.
MgSiO3圧電薄膜コーティングが骨髄細胞の増殖および骨分化に及ぼす影響を評価するため,7週令オスFisherラットの大腿骨より採取した骨髄細胞をMgSiO3圧電薄膜,Si 基板上で培養し,各試験材料が骨髄細胞の増殖および骨分化に与える影響を評価した.MgSiO3圧電薄膜およびSi 基板上で培養した骨髄細胞のALP 活性およびCa 量を比較すると,MgSiO3圧電薄膜上で培養した骨髄細胞のALP 活性およびCa 量がわずかに高くなったが,培養6日では有意な差は見られなかった.
繰り返し圧縮負荷を与えたチタン酸バリウム上で培養した骨髄細胞のALP 活性およびCa 量も高くなった.このことから,圧電薄膜コーティングを施すことにより,試験材料表面に表面電位が誘起され,骨髄細胞の増殖および骨分化を促進することが示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

MgSiO3薄膜の創製技術の改善を行い,高い結晶化度と均一な表面性状を有するMgSiO3薄膜を作製した.また,MgSiO3薄膜表面には自発分極によってSi基材と比べて0.8Vの電位差が生じていることが確認できた.MgSiO3薄膜によってわずかであるがALP活性が高くなることを確認し,MgSiO3薄膜の自発分極による骨髄細胞の分化への影響を評価しており,概ね順調に進展していると評価できる.

今後の研究の推進方策

次年度は,繰り返し曲げ変形を与えたMgSiO3圧電薄膜を成膜した基材上で骨髄細胞の培養を行い,変形によってMgSiO3薄膜表面に誘起された電圧が骨髄細胞の分化および骨分化に及ぼす影響について評価する.

次年度の研究費の使用計画

基材上へのMgSiO3圧電薄膜の創製を行なうための基材およびMgSiO3材料費に使用する.また,骨髄細胞を用いての評価のため,骨髄細胞採取用のラット,培養関連の消耗品および生化学分析用試薬の購入に使用する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 変形に伴うBaTiO3の表面電位がラット骨髄細胞の骨芽細胞への分化に及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      加藤 優喜,森田 有亮,仲町 英治
    • 学会等名
      日本機械学会関西支部第88期定時総会講演会
    • 発表場所
      大阪工業大学
    • 年月日
      20130316-20130317
  • [学会発表] 圧電材料MgSiO3の表面電位がラット骨髄細胞に及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      中崎 真太郎,森田 有亮,加藤 優喜,仲町 英治
    • 学会等名
      平成24年度日本機械学会関西学生会学生員卒業研究発表講演会
    • 発表場所
      大阪工業大学
    • 年月日
      20130315-20130315

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公開日: 2014-07-24  

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