研究概要 |
近年,加工技術の進歩によりアスペクト比の高い深穴や深溝の加工が行われているが,その内部の粗さ等の形状の測定は困難である.そこで,細管内の粗さを測定することを目的として,従来の粗さ計の差動トランスに換わる先端加工光ファイバと円柱状反射鏡を使用した新しいセンサを開発し,その基本的な性能を調べた.新しいセンサでは、管内の表面粗さを検出する為に,接触式のカンチレバーがキャリッジに取り付けられている.カンチレバーには反射鏡が取り付けられており,管内の表面粗さに応じて上下する.これに先端加工ファイバを通ってきた光を照射し,その反射光を同じファイバで拾い,管外の光センサに持っていく.反射鏡を平面でなく円柱状とすることによって,反射鏡の上下の信号すなわち表面粗さを光量の変化として光センサで捉えることができる.新しいセンサの性能を調べる為に装置を試作した。カンチレバーの根元にあるV溝をキャリッジのナイフエッジに乗せた.カンチレバーの先端付近に反射鏡を取り付けた.反射鏡としては,直径が125μmの光ファイバの側面に,Crを蒸着させたものを用いた.キャリッジの上部にけがき線を引き,先端加工ファイバを固定した.これにより,カンチレバーの上下運動を光量変化として捉えることができる.試作した装置を用い、ノイズ、変位と出力の関係等を調べた。その結果,1秒以内の短い周期でみた時,約0.005V程度のノイズが乗っていることがわかった.測定範囲は4.5μm,ノイズをもとに考えると分解能は約13nmといえることがわかった。
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