様々な生産現場において細管内などの狭い部分の表面粗さを測定したいという要求がある。しかし、現在、径が数mm以下の細管内の表面粗さを測定する際には、小さなスタイラスを用い細管の端部の数mmの領域を測定するのが限界である。細管の奥の方の表面粗さを測定する場合には、管を割り破壊検査をするしかない。そこで、著者らは先端加工ファイバと円筒状反射鏡を用いた新しい表面あらさ検出用のセンサを提案しその有効性を示した。 本年は、開発したセンサを用いて細管内を測定するためのキャリッジ部分を試作した。キャリッジは細管内の表面粗さを測定するために適切に自由度を拘束する必要がある。細管の軸方向をX軸とする。キャリッジが細管内でX軸方向の移動とX軸まわりの回転だけができるように自由度を拘束すると考えると、4自由度を拘束する必要がある。したがって、キャリッジと細管内部との接触点の数は4つとなる。そこでキャリッジを機械加工し、キャリッジ下部の前後2か所に小球を取り付ける、さらに、上部の左右2か所にバネ状のものを取り付けた。
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