研究課題
本研究の目的は,工作機械が自ら,自分自身の精度,及び加工物を含む加工環境をキャリブレーション(較正)し,それを最適に補正するという,工作機械の「自己最適化」という考え方を提案し,それを多軸加工機に適用する方法論を構築することである.平成23年度は,CCDカメラを用いた画像撮影を基礎として,工作機械の2次元運動精度を自律的に測定する方法を構築し,その測定性能を確認するための実証実験を主に行った.平成24年度は,対象とする工作機械を多軸工作機械に拡張し,その運動精度を自律的に測定する方法として,R-testと呼ぶ新しい測定法を構築し,工作機械自体が旋回2軸の運動精度を「自己最適化」するための測定法を構築した.本年度は,R-test測定を基礎として,誤差原因が機械のどこにあるかを診断し,それを数値的に補正する手法を構築し,そのソフトウェア化を行った.工作機械が自律的に自らの運動精度を測定し,得られた測定データを処理して,CNC制御システムの補正マップを出力するシステムを構築した.5軸制御加工機には,テーブル旋回形,主軸旋回形,テーブル・主軸旋回形,旋盤型複合加工機など,様々な軸構成があり,それぞれ異なる誤差診断のアルゴリズムが必要とされる.本年度は,自己最適化の実用化を目指し,様々な形態の5軸制御加工機を対象とした誤差診断アルゴリズムをシステム化した.また,上記の様々な形態の5軸制御加工機を対象として,実際に測定及び補正実験を行い,構築したシステムの実証実験を行った.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)
International Journal of Automation Technology
巻: vol.8, No. 1 ページ: 20-27
International Journal of Machine Tools and Manufacture
巻: 68 ページ: 21-29
10.1016/j.ijmachtools.2013.01.001