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2013 年度 実績報告書

酸化物系保護膜(Belag)の付着機構解明とアクティブ活用法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23560124
研究機関島根大学

研究代表者

臼杵 年  島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (10176670)

キーワード工作機械・生産工学 / Belag / 工具摩耗抑制
研究概要

Belag生成した超硬P種について付着界面を観察した。超硬P種を構成するWC,Co,TiCを含む複炭化物に分けて整理すると、WC粒子上にはFe層を介してBelag膜が付着してしており、また結合剤であるCoにはFeの拡散が確認され、WCと同様にFe層を介して付着していた。一方、複炭化物(Ti-W-C)の上にはBelag膜が反応層を介さずに直接付着していた。さらに複炭化物表面近傍に酸化物(TiOまたはTiO2)は検出できなかった。(2種類の材料(Ca脱酸鋼とAl添加ねずみ鋳鉄)で確認)。このことが、超硬P種の付着の不安定性の原因(低付着強度)であり、また複炭化物を持たない超硬K種に付着生成しない理由であることが判明した。また前年度の検討で、Ca脱酸鋼にMnS添加した材料では、Belag生成界面にCaSが生成して付着していることがわかったが、Caを含まない材料(Al添加ねずみ鋳鉄)ではMnSがBelag層内に粒状に分布していることもわかった。そこで、前者の状況を工具側で再現し、FeOの集中を阻止する方法として、WPCによるコーティング工具表面への硫化物層の形成を試みた。MoS2で処理し、表面の変色は見られたが、工具摩耗にはさして変化は見られなかった。継続して処理物質および処理条件の検討を継続していく。
一方、ミネラル水ミスト加工については、チタン合金およびインコネルの加工時にミネラル成分を含まない超純水を使用した場合と比較して、凝着の様子に明確な変化が見られた。しかし、その付着表面をEDSで元素分析してもミネラル成分の元素の付着が確認できなかった。ミネラル成分の有無により凝着の仕方に明らかな違いがみられており、何らかの効果が生じていることが推測されるが、その現象の特定には至らなかった。継続して現象の確認を行っていく。また結晶方位の結果と合わせて、凝着低減方法として継続検討していく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [学会発表] Behaviour of MnS on Belag Formation and Observation on Carbide Tool2014

    • 著者名/発表者名
      Teruyuki Matsui, Hiroshi Usuki, Masahiro Yoshinobu, Shogo Nakashima, Kana Morishita, Kenichi Inoue, Takashi Kano, Makoto Haritani, Masahiro Hagino, Yasuo Yamane
    • 学会等名
      1st International Conference on Machining, Materials and Mechanical Technology
    • 発表場所
      NTUH International Convention Center(中華民国(台湾))
    • 年月日
      20140831-20140905
  • [備考] ベラーグ生成付着機構と摩耗機構に関する研究

    • URL

      http://kenchiku-seisan.jp/publics/index/21/

  • [備考] ミネラル水ミストを利用した快削化技術の開発

    • URL

      http://kenchiku-seisan.jp/publics/index/21/

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公開日: 2015-05-28  

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