研究課題/領域番号 |
23560126
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大橋 一仁 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (10223918)
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研究分担者 |
塚本 眞也 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (80163773)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ダイヤモンド砥石 / 目詰まり / チップポケット / 硬質カーボン / 粘着テープ |
研究概要 |
硬質カーボンを乾式研削する粒度1000のレジノイドボンドダイヤモンド砥石を主な対象として,目詰まりによって砥石が切れ味を失った状態から粘着テープを用いて切れ味を回復させる方法を考案し,その効果を検証した.カーボン切りくずにより目詰まりした砥石表面に粘着テープを所定の圧力で押し付け,その後テープをはく離することによって切りくずが除去され,チップポケットが復元されることで切れ味が回復することが認められた.この場合,粘着テープ転圧時の圧力が高いほど,さらに転圧時間が長いほど,加えてテープはく離時のはく離速度が大きいほど切りくずの除去能力が高くなることが明らかになった.また,粘着テープにより切りくず除去処理を施した上記微粉ダイヤモンド砥石を用いて硬質カーボンを再研削した結果,処理条件による切りくず除去程度に応じて研削性能は異なり,材料除去量,表面粗さが改善されることが明らかになった.また,粘着テープによる切りくず除去処理を繰り返すことによって,ドレッシングによって砥石作用面を新生した場合とほぼ同等の研削性能を示すことも確認された.硬質カーボンを乾式研削する場合,砥石表面への切りくずの堆積が早期に進行するため,目詰まり状態となり切りくずに埋没した砥石表面の砥粒切れ刃は,摩滅等の損耗が少なく,本来の切れ味を有した状態で切りくずに埋没していることが明らかになった.すなわち,目詰まり状態の砥石の切れ味をドレッシングによって回復させると,切りくずとともに,切れ味の失われていない砥粒までも除去されてしまうため,本処理法が砥石の総寿命延長の観点からも有効であることが明らかになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目標である微粉ダイヤモンド砥石のチップポケットの生成技術に大方の目途が付く結果が得られている.
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今後の研究の推進方策 |
微粉ダイヤモンド砥石へのチップポケット生成の能率向上およびチップポケットへの切りくず堆積防止策を考案,検討する.
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次年度の研究費の使用計画 |
チップポケット生成の能率向上ならびにチップポケット表面の改質のための実験に関わる実験材料および装置構成部品等の所望品として主に使用する予定である.また,学会等への参加による関連技術の調査ならびに学会発表等の旅費としても使用する予定である.
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