本研究はポンプの高効率化,高安定性に寄与する液膜シールの開発を目的として,しゅう動面に四角穴パターンを有するシールを対象に,穴形状パラメータが静特性(漏れ特性)および動特性(振動特性)に及ぼす影響を解析した.穴形状パラメータとして穴断面積,穴数,穴部総面積一定のもとでの穴断面積と穴数の組み合わせの3通りを考慮した.その結果,小さな断面積の穴を多数設けることにより,漏れ流量の低減,ふれまわり周波数比WFR(不安定振動を引き起こすふれまわり速度の範囲)の低減とWFRに及ぼすシール入口旋回流速度の影響を小さくすることが可能となり,ポンプの効率と安定性に貢献することが明らかになった.
|