近年、CVDダイヤモンドと金属の真空中での摩擦試験で、0.1以下の低摩擦係数を示す超潤滑現象が見つかった。これまで金属材料は真空中で高い摩擦係数を示すと考えられてきたが、この現象は従来の考えでは説明がつかない。 そこで、本研究では、このメカニズムを明らかにするため、CVDダイヤモンドを用いて様々な金属材料との摩擦試験を行った。その結果、摩擦面の元素分析から、真空中で低摩擦係数を示す場合の摩擦面には炭素と酸素の両方が存在することが明らかとなった。そして、金属表面の酸化膜中の酸素がダイヤモンドを黒鉛化する触媒の役割を果たし、真空中での低摩擦係数を発現していることが明らかとなった。
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