研究課題
以下の6つの研究課題を進めることで、実用ブラフボディの各種後引き渦と境界層剥離の複合的な物理メカニズムを解明し、戦略的な空力抵抗低減制御の実用化へ向けたノウハウ構築を目指した。(1)簡易形状車体モデルを対象とした空力抵抗発生メカニズムの解明(2)吹き出し&吸い込み等の要素制御技術の数理モデル化(3)後ひき渦対の不安定性成長(4)簡易形状車体モデルを対象とした空力抵抗低減制御技術の提案(5)実走行状態における制御技術の効果検討(6)実車両形状モデルを対象とした戦略的空力抵抗低減制御技術の提案.昨年度までに全ての課題について一通り取り組んでいる.特に課題(4)から,昨年度は車体側面の境界層をコントロールすることで,車体抵抗低減と高速安定性を両立できる可能性があることがわかった.本年度はこの知見を発展させ,昨年に引き続き(4)~(6)に取り組んだ.セダン型車両を対象として,まずは比較的簡易な形状に対してLES解析を実施し,抵抗と共に走行安定性に影響を与える揚力に着目し,両者の非定常特性と車体周りの渦構造との関係を調べた.定常流条件に加えて,実走行状態を想定した(課題(5))車体ヨー角変動やピッチ角変動,さらにはレーンチェンジ動作を与え,その非定常空力応答特性を流れ場の渦構造の変化に着目して調べた.これらの結果から時間変動する抵抗値に対して,低抵抗と高抵抗となる場合の渦構造の差異に着目し,低抵抗状態を実現するために実現すべき渦構造の検討を行った.得られた知見を課題(6)の実車形状に適用し,実車に対する抵抗低減戦略の提案を試みた.対象は詳細に形状再現したセダン形状車体とし,直進走行時に加えて操舵運動時(課題(5))の走行状態をシミュレーションで再現し,車体に作用する抵抗や揚力の非定常変動と,側面境界層や車体周りの渦構造の変化に基づく発生メカニズムとその抵抗抑制効果について考察した.
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (12件)
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