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2013 年度 実績報告書

高ずり速度領域での界面活性剤水溶液のミセル高次構造形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23560187
研究機関千葉大学

研究代表者

三神 史彦  千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40272348)

キーワード流体工学 / 複雑流体 / マイクロ流 / ひも状ミセル水溶液 / 高次構造体 / 流れの可視化 / 位相差顕微鏡 / 偏光
研究概要

CTAB/NaSal系界面活性剤のひも状ミセル水溶液について,マイクロ流路内で高いずり速度とひずみ速度を受けることによって誘起されるミセル高次構造体の形成過程と流れ場の変化の詳細を調べる実験を行った.ミセル高次構造体を形成した流体塊は明視野観察では確認できないが,屈折率の局所的な変化を明暗のコントラストをつけて観察できる位相差顕微鏡によって,その挙動を捉えることに成功した.新たに試みた円柱群を複数の区画に区切って配置した流路を用いた実験では,区画ごとのひずみ蓄積量による変化を観察した.ひずみ蓄積量が大きくなる下流の区画ほどミセル高次構造体が発現しやすく,流量を増加させると,より上流の区画でも発現するようになった.このことは,高次構造体の形成に,ひも状ミセルの回転緩和時間とずり速度が関係するという説明を支持するものである.一方,ある送液流量を超えると,壁面ですべりが生じ始めるためか,流量を増加させてもミセル高次構造体を最初に発現する区画に変化が見られなくなった.このことは,送液流量をあげても予想より低いずり速度しか得られず,ミセル高次構造体が可逆的なものにとどまった原因と考えられる.比較的高い流量では円柱群の隙間に流れ込むときに脈動が見られ,定常な流れから非定常な流れに変化する要因の一つとなっている.円柱群の隙間に相当する急縮小部をもつマイクロ流路を用いて,新たに円偏光クロスニコル観察を試みた.一定流量以上で急縮小部入口に弾けるような脈動流れが発生し,急縮小部に流れ込む筋状の流れの領域で,ミセルの配向の生成と消失が繰り返し起きていた.脈動の頻度は,はじめ流量とともに増加してその後一定となったが,流路幅が関係する.なお,位相差顕微鏡で捉えられたミセル高次構造体を形成している流体塊の複屈折は大きくなく,クロスニコル観察や偏光イメージングカメラでは捉えられないことが確認できている.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] マイクロ流路流れでの障害物によるひも状ミセル水溶液の流動誘起構造変化

    • 著者名/発表者名
      三神 史彦,吉川 光,熊谷 駿,安 正博
    • 学会等名
      日本機械学会2013年度年次大会
    • 発表場所
      岡山大学 津島キャンパス(岡山市)
  • [学会発表] Flow pattern change through a formation of flow-induced structure in wormlike micelle solutions past arrays of microposts

    • 著者名/発表者名
      F. Mikami, T. Kumagai, H. Yoshikawa and M. Yasu
    • 学会等名
      The Society of Rheology 85th Annual Meeting
    • 発表場所
      Hilton Montreal Bonaventure (Montreal, Canada)
  • [学会発表] 急縮小マイクロ流路入口におけるひも状ミセル水溶液流れの不安定

    • 著者名/発表者名
      谷口 皓一,三神 史彦
    • 学会等名
      日本機械学会 関東支部 第20期総会・講演会
    • 発表場所
      東京農工大学 小金井キャンパス(小金井市)

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公開日: 2015-05-28  

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