高レイノルズ数乱流中の強渦度の組織構造を抽出する方法として、テイラー長程度の長さスケールで粗視化(平均化)した局所エンストロフィーを用い、適当な閾値を満たすつながった領域を求め、体積の大きいものから順に識別していくことが非常に有効であることを一様等方性乱流の大規模直接数値計算結果(格子点数4096の3乗)を用いて実証した。 また、それにより、高レイノルズ数乱流中の主要な強い渦の組織構造である、テイラー長程度の厚さおよび積分長程度の大きさをもつ強い剪断層が積分長を超えるより大きなクラスタの一部であることが判明した。 昨年度、高レイノルズ数乱流中の強い渦の組織構造である薄い剪断層は剪断層外部の速度変動をブロックする働きがあることを条件付き統計解析により明らかにしたが、今年度は、同様な性質が乱流境界層の乱流・非乱流界面にもあることを乱流境界層の直接数値計算結果を用いて明らかにし、論文として発表した。
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