研究課題/領域番号 |
23560210
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
角田 和巳 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70255644)
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研究分担者 |
末包 哲也 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (30262314)
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キーワード | 流体力学 / 固体酸化物形燃料電池 |
研究概要 |
固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell,SOFC)とマイクロガスタービン(μGT)を複合化したハイブリッドシステムは,次世代発電システムの有力な候補であるが,高い総合効率を実現するためには,電力変換の過半を担うSOFCの信頼性・耐久性を高め,SOFC単体としての発電効率を向上させることが望まれる.本研究は,SOFCの中でも高出力密度が期待されるディスク型SOFC を対象として,セルに供給された燃料および空気の熱流体挙動を流体力学的な視点に基づいて掌握し,発電性能の向上につながる適切な流動制御方法および熱管理手法を提案することによって,SOFCの高性能化に寄与することを目的とするものである. そこで平成24年度においては,前年度までの研究によって速度場に対する有効性が実証されたインボリュート曲線形状の集電体を燃料流路内に配置し,圧力場の挙動についてその詳細を調査した.その結果,燃料流路の流入部分において局所的に圧力の高くなる部分が生じることがわかり,この状況を解消するために予め旋回を付与した状態での流量供給を試みた.その結果,インボリュート曲線に沿う旋回流れを維持するために必要な圧力こう配を維持するとともに,流入部分における圧力の不均一性が緩和されることが明らかとなった.また,このような変化が生じる原因について,旋回速度成分を考慮した運動方程式に基づき.定性的な説明を行った.さらに,流路内における速度場について,鉛直方向成分を含む速度場3次元計測を実施し,従来の研究で得られた2次元計測結果との比較を行った.その結果,鉛直方向速度成分の影響は少なく,2次元速度場として流れを扱うことの妥当性を示すことができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究において速度場の情報を取得するために使用してきたPIV装置の撮像部分に不具合が生じており,これを補う計測方法の検討が長引いている.そのため,現象理解に必要とされるデータの収集が遅れていることが原因である.
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今後の研究の推進方策 |
前述の速度計測への対応と伝熱を考慮した温度計測への対応から,相似則に基づいて流路スケールを拡大し,インボリュート形状の集電体を有する新規流路において速度分布と温度分布を計測し,その相関を調べることによって,実機の運転条件下で予測される温度場の影響を明らかにする.さらに,集電体の緊密化を図ることで旋回流動の健全性を高めるとともに,一方で懸念される圧力損失の増大の影響についても詳細な調査を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
上述の伝熱実験に伴う温度計測システムの構築と,集電体を緊密化した新規流路の作製費用を,次年度研究費に含めることを計画している.
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