研究課題/領域番号 |
23560214
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研究機関 | 香川高等専門学校 |
研究代表者 |
上代 良文 香川高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (10321499)
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キーワード | 乱流 |
研究概要 |
本研究は,流れ場を制御するためのPlasma Actuator(PA)の誘起壁面噴流特性を明らかにしようとするものである.昨年度作成したPAを長平板の両側に発達する後縁近傍の乱流境界層に設置し,そのPAを駆動したときに発生する流れと並行で逆向きの壁面噴流が,長平板のはく離後の後流の発達に及ぼすを調査した.その際,印加電圧を変化させることで,誘起壁面噴流の速度を制御し,後流の速度分布への影響を把握した.具体的には,まず昨年度確立PAを塩化ビニール製の測定平板の両側に貼り付けることによって,スパン方向に一様なダブルジェットを,平板の両側に発生させた.このダブルジェットがある場合とない場合とで,後流の速度分布に変化が現れることを確認した. 実験には,高電圧高周波パルス電源から,入力電圧・周波数をそれぞれ2~4kV・10kHzとして,PAによって発生する壁面噴流を発生させた.2.4kVで薄紫色の一様放電が現れ,2.6kVでは濃い紫色の一様放電となり,2.8kV以上ではかなり強い放電となった. 近傍後流の測度分布は,PAを駆動した場合には,後流中心に近い長平板背後側で増速した.逆に,後流中新から主流側に少し離れた位置では,PAを駆動した場合には,後流は減速した.この位置は,測度分布の編曲点にあたり,乱流エネルギーの生成機構においても極めて大切な領域である.また,印加電圧を大きくすると,PA駆動による減速域が主流側に拡大することが見出された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
風洞実験流路内の測定平板の後縁近傍にPlasma Actuator(PA)を貼り付け,それを駆動することで上流向きのダブルジェットを発生させ,結果として後流速度分布の制御が可能であることを実現したため.
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今後の研究の推進方策 |
PAの貼り付け位置や方向を工夫することで,後流速度分布がどのように変化するかを系統的に調査する.
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次年度の研究費の使用計画 |
速度データから各種統計量を演算するための演算処理を自動化し,PAによる流れの制御効果を定量的に評価する.
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