研究課題/領域番号 |
23560216
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
新井 雅隆 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80112176)
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研究分担者 |
古畑 朋彦 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80261585)
座間 淑夫 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30594113)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 輸送機器 / 熱工学 / 大気汚染防止・浄化 / エネルギー効率化 / 可視化 / EGRクーラ / 体積物 / 炭素状微粒子 |
研究概要 |
研究の初年度であり,実験装置の改良から始めた.まず従来の装置ではEGRクーラの冷却水温度の制御が不十分であるため,EGRクーラの入口と出口の温度管理が不十分であるので,大型の電気ヒータによりエンジンの運転条件とは独立して冷却水温度を開けられるように装置を改良した.その改良型の装置をもちい,予備実験として行ってきたEGRクーラ内の堆積物の堆積挙動を確認する実験から開始した. EGRクーラに堆積する炭素状微粒子の計測を,実機関を用い,機関の空気過剰率と排ガス流用を変えて行った.4時間の連続運転を行い,EGRクーラに堆積する炭素状微粒子の挙動を調べた結果,排ガスの通過速度が速くなるほど,堆積量が低下すること,また堆積量は空気過剰率が低い(すなわち排ガス中のPM濃度が高い)ほど堆積濃度が増加することを明らかにできた.また排ガスの温度がEGRクーラにより低下し,内部に凝縮水がたまる状況であると,堆積物は除去されやすいことが明らかになった.とくに堆積物の除去が内部が乾燥している状態より内部が湿潤している状態の方が除去されやすいことは,今回得られた新しい知見である. 堆積物の除去に関するEGRクーラの湿潤状態の有利性は,別途行っているJE05モードの30回の繰り返し試験においても確認されている.この場合コールドスタートのJE05モードの試験を繰り返したので,堆積物の総量の増加はわずかであり,EGRの熱伝達率の低下も問題にならない程度であった.一方ホートスタートを繰り返すJE05モードの運転を30回繰り返すと,熱伝達率は30%以上低下することが明らかになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)EGRクーラの入口および出口の温度制御が従来の装置では不十分であり,大型の電気ヒータによりエンジンと独立して生後する方策を検討し,実験装置を再構築するのに多くの時間を費やしたこと.2)EGRクーラ内の堆積物の可視化を行う装置を検討したが,実施可能な成案を得るに至らず,高温風洞による飛散実験に着手することができなかったこと3)並行して行っているJE05モードによる堆積試験においては,試験装置下流に設置してある排ガス浄化用のDPFの目詰まりが発生し,繰り返し試験の途中で実験条件が変化してしまい.3か月を要する繰り返し試験において,約2か月の遅れが生じたこと
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画のとおり,高温風洞をもちいて堆積物の飛散実験を開始する.このためには1)飛散特性の観察が容易な単純形状のEGRクーラの制作2)高温風洞を改良して,上記の単純形状のEGRクーラを内部にセットする方策を検討3)平成23年度に購入したレーザシート光源を使用した可視化手法の開発を行う
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次年度の研究費の使用計画 |
高温風洞における飛散実験を行うための高温風洞の改造費をよび各種の消耗品にあてる.またEGRクーラの堆積するPM関係の物性値調査および排ガス中のPMとディーゼル燃焼の関係調査のための国際会議への参加費用に充てる予定である.
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