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2012 年度 実施状況報告書

高周波スプリット噴射による噴霧制御技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23560233
研究機関広島大学

研究代表者

西田 恵哉  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90156076)

キーワードFuel Spray
研究概要

昨年度は燃料噴霧内の蒸気相と液相の濃度分布を定量的に計測する2波長レーザー吸収散乱法を使用し,噴射期間を2段に分割するスプリット噴射の1段あたりの噴霧に注目し,噴射量が少ない燃料噴霧の蒸発過程の計測を行った.
これに引き続き今年度は,スプリット噴射の1段目の噴射開始から2段目の噴射終了までの期間を単段噴射と同一とし,さらに総噴射量を単段噴射と同一になるようスプリット噴射の噴射圧力を高く設定し,燃料噴霧と火炎の高速度ビデオカメラ撮影を行った.燃料として軽油を使用した.噴霧撮影の場合には定容容器中の常温,高圧の窒素中に燃料を噴射し,噴霧の発達過程を噴霧側方からの照明光の散乱光画像として撮影した.得られた画像から,噴霧先端到達距離,噴霧角,噴霧内に導入した雰囲気質量などの噴霧特性を測定した.噴霧火炎の撮影の場合には,定容容器中の高温,高圧の空気中に燃料を噴射し,火炎の自発光画像を撮影した.得られた火炎画像を二色法解析し,すす濃度を表すKL値と火炎(すす)温度の空間分布を求めた.また火炎内の積算KL値と平均火炎温度の時間変化を求めた.
上述のように噴射期間と噴射量を単段噴射と同一に設定した単段噴射より噴射圧力の高いスプリット噴射では,単段噴射と比べ燃料噴霧の先端到達距離が増大するが,噴射休止期間の貫徹力減少により,その増大割合は大きくない.また噴霧角が大きく,導入雰囲気質量も大きくなることが分かった.さらに噴霧のザウタ平均粒径は噴射圧力の高いスプリット噴射の方が噴射圧力の低い単段噴射より小さくなる.一方,火炎特性は,スプリット噴射の噴射休止期間がある程度以上であれば,積算KL値(すす濃度)が小さく,平均火炎温度も低くなる.しかし噴射休止期間が短いと,積算KL値値が大きく火炎温度も高くなる場合がある.スプリット噴射により,すす生成と火炎温度の同時低減が達成できる可能性が示された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

燃料噴霧と火炎の高速度ビデオカメラ撮影により,スプリット噴射による噴霧特性と火炎特性の変化,特に噴霧への雰囲気導入,火炎内のすす濃度と火炎温度の変化を定量的に明らかにすることができた.スプリット条件によってすす濃度と火炎温度が単段噴射より減少したり増大したりするという,非常に興味ある結果が得られた.今後はそのメカニズム解明のための噴霧内の混合気形成過程の計測を行っていく.

今後の研究の推進方策

噴霧への雰囲気導入が増大し火炎中のすす濃度と火炎温度が減少するスプリット噴射条件における噴霧内の混合気形成過程,蒸気相濃度分布,液相燃料の蒸発速度などを2波長レーザー吸収散乱法により測定する.すす濃度と火炎温度が増大するスプリット噴射条件においても同様の測定を行う.これによりスプリット噴射時の雰囲気導入,すす濃度,火炎温度の変化のメカニズムを解明する.

次年度の研究費の使用計画

2波長レーザー吸収散乱法の光学部品,試験燃料,定容容器のガラス窓や機械部品の購入などに使用する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 燃料噴射の時間的分割がディーゼル噴霧と火炎の特性に及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      西田恵哉
    • 学会等名
      自動車技術会2013年春季学術講演会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜市)
    • 年月日
      20130522-20130524

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公開日: 2014-07-24  

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