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2013 年度 実績報告書

電気化学的部分酸化による排熱のエクセルギー再生

研究課題

研究課題/領域番号 23560244
研究機関早稲田大学

研究代表者

中垣 隆雄  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30454127)

キーワード固体電解質形燃料電池 / スパッタリング法 / ドライメタン / 白金 / アルミナ / ナノスケール
研究概要

本研究では,固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell,以下SOFC)を反応器としてメタンの電気化学的部分酸化(EPOx)を実現させることで排熱の電気への変換効率を定量評価することを目指す.最終年度はPt/Al2O3触媒のアノードへの実装とドライメタンを燃料としたSOFCの発電試験を実施し,得られた発電特性と燃料ガス組成から電気化学反応の経路を特定した.反応機構ではCH4→CH4(s)が律速過程であり,メタンの吸着力の強いAl2O3を担体に用いてPtを担持させることで部分酸化の促進を図った.Al2O3の薄膜をアノード表面に直接形成するため,RF(交流)スパッタリング法で実装した.アノードの平均粒子径50nmと空隙・活性点の確保を考慮してPt/Al2O3の厚さ3nm/10nmを基準に3nm/30nm,10nm/10nm,10nm/30nmの4種類を作製して発電試験に用いた.
予熱した空気30 L/minをカソードに,窒素50 ml/minをアノードにそれぞれ供給して昇温し,カソード近傍の温度が450℃付近で定常に達してから,燃料ガスをメタン50 ml/min,窒素50 ml/minの混合ガスに切り替え,500~600℃における発電特性を評価した.4種類のうち,Pt:3nm/Al2O3:10nmが最も性能が高く,最大出力密度は207.5mW/cm2をマークした.COの選択率は84.3%と極めて高く,部分酸化触媒を実装してもSOFCの性能を低下させずに部分酸化を生じさせることに成功した.部分酸化反応は450℃から650℃までの温度条件で生じており,この温度域の熱を取り込んで電力に変換しながら,H2/COの合成ガスを生成する電気化学的部分酸化による排熱のエクセルギー再生として当初の目的を十分に達成した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 化学反応による排熱回収で高効率発電 - 化学再生発電による天然ガスの高度利用 -2014

    • 著者名/発表者名
      中垣隆雄
    • 雑誌名

      電気学会誌

      巻: 134 ページ: 156-160

    • DOI

      10.1541/ieejjournal.134.156

  • [雑誌論文] 電気化学的部分酸化による排熱のエクセルギー再生を目的とした固体酸化物形燃料電池の性能評価2013

    • 著者名/発表者名
      尾関高行,中垣隆雄
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集B編

      巻: 79巻804号 ページ: 1583-1593

    • DOI

      10.1299/kikaib.79.1583

    • 査読あり
  • [図書] 未利用熱エネルギー活用の新開発と採算性を重視した熱省エネ新素材・新製品設計/採用のポイント2014

    • 著者名/発表者名
      中垣隆雄ほか
    • 総ページ数
      700
    • 出版者
      技術情報協会
  • [備考] 早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科 修士論文概要

    • URL

      http://www.waseda.jp/weee/teacher7.html

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公開日: 2015-05-28  

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