研究課題
気泡微細化沸騰の応用として高発熱密度電子機器の高熱流束冷却を想定し沸騰冷却技術実用化のための知見を得る実験では、昨年度の不凍液(エチレングリコール)混入および沸騰ヒステレシスの実験に引き続いて、今年度は、沸騰冷却流体ループを想定した加圧(最大圧力1atg)下の気泡微細化沸騰および冷却面粗さの影響について試験を行った。その結果、加圧状態でも気泡微細化沸騰が発生し、圧力上昇と共に高過熱度側にシフトするもののサブクール度40-60Kにおいて、500-900W/cm2の高い熱流束が得られた。伝熱面粗さの影響では、気泡微細化沸騰で沸騰曲線が、粗くなると低過熱度側へシフトし、伝熱促進効果が期待でき、実用化に向けて有用な知見が得られた。マイクロチャンネルのサブクール流動沸騰実験については、断面0.3mm×0.3mm、長さ10mmの9本の水平置き平行矩形流路の底面に銅ブロック伝熱面を設置して、水の流動沸騰実験を行った。サブクール度30K-70K、質量流束100-1000kg/m2sにおいて、何れの場合も300W/cm2の高熱流束が得られたものの、気泡微細化沸騰は明確には確認出来なかった。これは、流路付近の圧損および加熱ブロックの熱容量が関係していると考えられ、現在継続実験中である。水の気泡微細化沸騰で不安定なサブクール度20Kにおいて、出力40Wで100-15000Hzの音響振動を与えたところ、500Hzで気泡微細化沸騰が確認できた。超音波に比較して気泡微細化の程度は小さいが、合体気泡の気液界面の不安定を増幅して、気泡崩壊を誘導し気液交換が促進される、気泡微細化沸騰のメカニズムのひとつと考えられる。以上の結果は、今年のISTP-25(Intl.Sympo. Transport Phenomena)で、発表および論文投稿他、熱工学コンファランス等国内会議で発表の予定である。
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Proceedings of International Conference on Multi-phase Flow 2013
巻: E Memory ICMF2013-946 ページ: ICMF2013-946
Proceedings of the 9th UK-J Japan Seminar on Multi-Phase Flow
巻: E Memory UKJ2013 ページ: UKJ2013
Proceedings of ITTWS2013 on Two-Phase Systems for Ground and Space
巻: E Memory ITTWS2013 ページ: ITTWS2013