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2012 年度 実施状況報告書

組込型動的デバイスを用いた知的構造による航空機構造の総合的ヘルスモニタリング

研究課題

研究課題/領域番号 23560252
研究機関東京都立産業技術高等専門学校

研究代表者

嶋崎 守  東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 助教 (20566757)

研究分担者 岡部 洋二  東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (90313006)
キーワード構造ヘルスモニタリング / ラム波
研究概要

平成24年度は、以下の検討を行った。
まず、MFCアクチュエータの動的ひずみセンサとしての特性を検討した。MFCアクチュエータと光ファイバセンサを試験片に接着し、同試験片に衝撃を付加して両センサの計測結果を時間領域と周波数領域で比較することで、MFCアクチュエータの動的ひずみセンサとしての特性を検討した。その結果、MFCアクチュエータは光ファイバセンサと比較して、衝撃によるひずみのセンシングについては同等の性能を有することを確認した。
また、動的ひずみ計測システムを検討した。微小な衝撃により伝播するAE波を、超音波送受振システムと同じデバイス構成で構築が可能であるかを検討した。その結果、超音波送受振システムと同一のシステム構成で、すなわち、試験片に接着されたMFCアクチュエータと光ファイバセンサで、衝撃により伝播する弾性波と微小な衝撃により伝播するAE波を計測可能な動的ひずみ計測システムが構成できた。
さらに、衝撃による受振ひずみの関係、また微小クラック発生にともなう受振ひずみの関係を検討した。実験では負荷点や大きさを変化させて衝撃荷重をスキンに負荷し、各MFCアクチュエータの受振ひずみがどのように変化するか調べた。各計測結果から、その振幅の大きさと到達時間から負荷の大きさと付加点の位置同定が概ね可能であることを確認した。また、衝撃によって内部損傷が発生すると、計測されるひずみ波形に特徴的な変化が現れると予想されるため、受振波の振幅と周波数特性から内部損傷の発生の有無を推定可能な指標を検討したが、現時点では有効な指標を決定できていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度は、(1)MFCアクチュエータの動的ひずみセンサ特性の確認、(2)動的ひずみ計測システムの構築、(3)衝撃・微小クラックと受振ひずみの関係の解明の三点を計画した。研究の結果、(1)、(2)については順調に進展したが、(3)については、受振波の振幅と周波数特性から内部損傷の発生の有無を推定可能な指標を検討したが、現時点では有効な指標を決定できていない。以上の理由から、全体としてはやや遅れている。

今後の研究の推進方策

平成25年度は、以下を検討する。
まず、衝撃・微小クラックと受振ひずみの関係の解明する。衝撃によって内部損傷が発生すると、計測されるひずみ波形に特徴的な変化が現れると予想されるため、受振波の振幅と周波数特性から内部損傷の発生の有無を推定可能な指標を検討する。
また、実構造実験モデルによる総合的構造ヘルスモニタリングについて検討する。これまでに得られた知見を踏まえ、接着はく離、衝撃、微小クラックの定量的な検知が可能なモニタリングシステムを構築する。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額(次年度への繰越額)が19,322円となった。これは予算額との軽微な差である。
次年度使用額は直接経費が1,200,000円の当初計画から1,219,322円に変更する。内訳は、物品費を260,000円から279,322円に変更する。増額分はMFCアクチュエータの購入に充当する。旅費については当初計画どおり350,000円、人件費・謝金費についても当初計画どおり40,000円、その他についても当初計画どおり550,000円である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] スマート構造を適用したアクティブ振動制御と構造ヘルスモニタリング2013

    • 著者名/発表者名
      嶋崎 守
    • 雑誌名

      検査技術

      巻: Vol. 18, No. 3 ページ: 27-32

  • [雑誌論文] パラレルファクタ分析法を用いた光ファイバセンサ出力の検出2012

    • 著者名/発表者名
      中野公彦、大橋 塁、岡部洋二、嶋崎 守、中村弘毅、渡辺尚子
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集(C編)

      巻: 78巻789号 ページ: 1410-1419

    • 査読あり
  • [学会発表] 圧電繊維アクチュエータを用いた構造ヘルスモニタリングに関する基礎的研究2013

    • 著者名/発表者名
      嶋崎 守、鈴木翔平、石鍋善郎
    • 学会等名
      日本機械学会関東支部第19期総会講演会
    • 発表場所
      首都大学東京
    • 年月日
      20130315-20130316
  • [学会発表] 組込み型動的デバイスを用いた広帯域ラム波の伝播に関する基礎的研究2012

    • 著者名/発表者名
      嶋崎 守、石鍋善郎、鈴木翔平
    • 学会等名
      数理科学会第31回数理科学講演会
    • 発表場所
      東京都立産業技術高等専門学校
    • 年月日
      20120825-20120825

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公開日: 2014-07-24  

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