研究課題/領域番号 |
23560258
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石田 幸男 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10092991)
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研究分担者 |
井上 剛志 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70273258)
長坂 今夫 中部大学, 工学部, 准教授 (60102779)
池田 隆 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50115523)
原田 祐志 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00456691)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 回転機械の振動 |
研究概要 |
本研究では,風車の振動を解析して特性を明らかにし,さらにその制振法を考案することである.風車としては,振動的に最も問題となり2枚ブレードをもつ風車システムを対象として,ブレードとタワーからなるシステムの振動特性を理論的に調べた.具体的には,(1)支配する運動方程式を誘導した.(2)固有値解析をして,回転速度に対する固有振動数の変化をしらべ,キャンベル線図を描いた.(3)風の影響による励振力を明らかにし,それによるタワーとブレードの応答曲線を理論的に求めた.(4)その結果,回転速度と同じ調和振動の共振,回転速度の2倍の超超波振動の共振,ブレードの非対称性による不安定領域の発生を明らかにした. つぎに,これらの振動をナセルの上に液体を含むタンク(剛体円筒容器)を取り付け,その液体の量を調整して同調ダンパーとしてタワーの振動を抑制することを試みた.液体の運動を支配する方程式との連成を考慮した運動方程式をもとめ,液体の制振効果を理論的に調べた.その結果,調和共振および超調波共振のピークがそれぞれ小さな2つの山に分かれ,制振効果があることを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
風車ブレードとタワーの連成振動を明らかにし,さらに液体を含む同調ダンパーの効果を理論的に明らかにできたことは,ほぼ予定どおりの進捗状況である.また,以上の成果を,機械学会D&D2011講演会で2件の発表できたことは順調に進んでいると判断できる.これらの理論に対応する実験も準備中であり,現在製作中である.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,(1)固定式風車に対するこれまでの理論解析結果を確認する実験を行う.(2)浮体式風車の理論解析を行う.内容としては,海の波が浮体に対する強制変位として励振力となることを考慮したモデルの振動応答を調べる.(3)浮体式風車のモデルをつくり,実験を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度繰越額と平成24年度交付額をあわせ、下記(1)~(5)の経費として使用する.(1)実験に必要な計測装置の購入費,(2)浮体式風車の実験装置の製作のための材料費,(3)これまでの研究の中間まとめの学会発表のための出張費,(4)研究打ち合わせのための広島-名古屋間の出張費,(5)調査研究のための出張費
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