研究課題/領域番号 |
23560262
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松崎 健一郎 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (80264068)
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研究分担者 |
劉 孝宏 大分大学, 工学部, 教授 (60230877)
宗和 伸行 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40304753)
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キーワード | BTA / 深穴加工 / ライフリングマーク / パターン形成 / 自励振動 |
研究概要 |
被削材回転型のBTA深穴加工について,加工装置実機を対象とした解析モデルを用いた数値解析と実機による加工試験を行い,以下の成果を得た.(1)穴深さと不安定度の関係および中間サポート位置の影響について実験により検証した.理論を検証するには十分な実験を行うことができなかったが,理論と矛盾する結果はなかった.(2)ガイドパッド曲率半径の影響について実験により調べた.ガイドパッド曲率の影響はかなり大きく,特に曲率半径が小さい場合,偶数角形の発生が確認された.理論では考慮していない要素が影響していると考えられる.(3)防止対策として追加する第3ガイドの位置を180°~270°の範囲で変更した数値解析および実験により,第3ガイドの最適配置について検討した.理論的な最適値以外の配置では,5角形の防止対策効果が小さくなることが確認された.(4)防止対策効果がほぼ等価となる第3ガイドの180°~270°の範囲以外の配置について検討した.標準位置と異なる場合,良好な切削が行えなかったり,異なる種類の多角形パターンが発生したりした.理論で考慮していないガイドパッドの軸方向位置などの影響があるものと考えられる.(5)動吸振器による防止対策について数値解析および実験により検証した.動吸振器はボーリングバーの工具から離れた位置につけざるを得ないため,比較的大きな質量の動吸振器を取り付ける必要があることが数値解析により示された.なお,実験では十分な効果を確認できなかった. また,工具回転型BTA深穴加工について,数値解析および実験による検討を行った.数値解析からは,被削材回転型と基本的な特徴は同じであるものの,前回り・後回りの固有振動数が存在するため,より複雑な挙動を示すことが確認された.なお,加工試験ではライフリングマークが発生する加工条件の設定が難しく,解析結果の検証には至っていない.
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