研究課題/領域番号 |
23560267
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
小林 信之 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70276020)
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研究分担者 |
菅原 佳城 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10422320)
鳥阪 綾子 青山学院大学, 理工学部, 助教 (70449338)
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キーワード | 極柔軟梁 / マルチボディダイナミクス / 運動制御 / 柔軟マルチボディダイナミクス |
研究概要 |
本年度は最終年度であるので,前年度までに開発した低次元化手法を用いたモデルに基づく大変形・大回転を伴う極柔軟梁の制御系の試設計および実験による有効性確認を目的に,以下の項目について研究を行った. 1.極柔軟薄板の低次元化手法の検証実験 昨年度開発したANCF板要素の定式化の改良を行い,弾性力を線形部分と非線形部分に分けるモード合成法を適用したANCF板要素を開発し,その運動方程式を時刻歴積分して応答を求める計算プログラムを作成した.その計算プログラムを用いて幾つかの例題について数値シミュレーションを実施して,大回転と大変形を伴う柔軟板の動的シミュレーションの計算時間の短縮効果を確認した.さらに,モード合成法を適用したANCF梁要素から構成される網構造のモデル化を行い,宇宙デブリ等の捕捉シミュレーション等が可能なプログラム開発を行った.これらの定式化等の妥当性を検証するため,昨年度予備実験を実施したアクリル製真空チャンバを用い,柔軟板と網の基本モデルの旋回駆動実験を実施した. その結果,若干の誤差が見られるものの,これらの定式化等の数値シミュレーション結果と実験結果が比較的良く一致することを確認した. 2.極柔軟梁の制御実験 上部にラッチ金物が取り付いた柔軟梁の下端をスライダにより振動的に水平方向に駆動することにより,柔軟梁を振動的に大きく撓ませラッチ金物をスライダと同じ高さに設置したラッチ機構に結合する制御系をビジュアルフィードバックにより設計した.数値シミュレーションによる励振挙動と実験による励振挙動は比較的大きな大変形領域まで同様の傾向があることが確認されたが,数値シミュレーションではラッチ機構に結合できる結果を得たものの,実験ではラッチ機構に結合するまでの励振されなかった.励振方法等について,今後制御系設計についての更なる検討が必要である.
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