研究課題/領域番号 |
23560272
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
小泉 孝之 同志社大学, 理工学部, 教授 (20247795)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 国際情報交流 |
研究概要 |
研究代表者らは過去に開発した3歳児有限要素人体モデルを用いてエアバッグを有するチャイルドシートの最適化を行い,前面衝突においてチャイルドシートの安全性能向上の可能性を確認した.本研究課題では新たなチャイルドシートの安全性を向上させる手法として,ハーネスを制御する機構を有するチャイルドシートの開発を行うことを目的としている.具体的には,チャイルドシートのハーネスの長さを調節する機構のモデル化.衝突時にハーネスをアクティブに制御する機能を有するチャイルドシートモデルの構築.さらに衝突時にハーネスの長さを調整することで衝撃を抑制する制御系の設計などがある.23年度の主たる成果は,まずチャイルドシート及び幼児の数値モデルを作成し状態推定を行った.それにより,観測可能な値を用いて各部位の加速度を算出し傷害危険性を低減する制御系を設計することが可能となった.さらに研究者らが既に確立した最適化技術を用いて制御パラメータの最適化を行い,衝突シミュレーションを実行しその有効性を検証した.一方幼児の虐待に着目し虐待の中でも,脳へ傷害を及ぼす揺さぶられっ子症候群に着目した研究課題に対しては,23年度は揺さぶり振動が幼児の脳へ与える影響を検証するため,まず幼児ダミーと加振機を用いて揺さぶり再現の実験を行った.この実験により虐待行為などが行われた際に,外観挙動として乳幼児の挙動を明らかにすることができた.さらに頭蓋と脳の相対変位が観測可能な幼児頭蓋モデルを用い同様の加振実験を行う事で頭蓋内部の振る舞いを明らかにすることができた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シミュレーション,実験共におおむね順調に進展している.
|
今後の研究の推進方策 |
当初立案した研究課題に対しおおむね順調に進展している.今後の推進方策で重点を置くのは制御機構を有するチャイルドシートの制御系内部パラメータの同定と衝突シミュレーションによる検証.揺さぶられっ子症状群の解明に関しては加振実験の精緻化と可視化と,有限要素法を用いた大規模シミュレーションの実行である.
|
次年度の研究費の使用計画 |
加振実験で用いる各種センサー,収録用デバイス,データ処理用のパソコンなど実験機材費.学会での成果発表時の旅費.図書,文献類の入手費用
|