本研究では、薄肉構造物の境界からの反射波を吸収する波動吸収制御法を圧電フィルムの利用によって実現することを目的とした。制御対象モデルとして、柔軟回転アームなどにも適用可能な片持ばりをとりあげ、適切に形状を設計された圧電フィルムセンサとアクチュエータがその表面に貼付されて一体化されたスマート片持ばりを作製し、理論解析および実験によって複数の振動モードに跨る広い周波数範囲にわたって制御効果が期待できることを示した。また、実験では1次モードを中心とする低周波数ほど理論解析結果に相当する効果が得られ、回転アームに適用した場合には、回転に伴う慣性力の影響が本圧電素子系では対応困難であることを確認した。
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