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2011 年度 実施状況報告書

レアアース磁石を用いない高推力なリニアバルブアクチュエータの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 23560276
研究機関豊田工業高等専門学校

研究代表者

近藤 尚生  豊田工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (30178420)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード機械力学・制御 / バルブアクチュエータ
研究概要

まず、有限要素法を用いて複数の突歯(磁極)を持つリニアバルブアクチュエータの磁場解析を行い、三次元磁束流れの磁気回路内の磁束密度分布や磁束流れを明らかにした。そして、本アクチュエータの設計基礎資料を得るために、突歯の枚数が5枚の場合と1枚の場合について磁場解析を行い、推力の解析値と実験値を比較したところ両者は良く一致し、解析の妥当性を検証できた。さらに、本研究の複数の突歯を持つバルブアクチュエータの磁束流れや推力は、突歯1枚について得られたものを突歯の枚数分重ね合わせることにより求められることが分かった。このことにより、消費電力が一定で突歯を1枚~25枚に変化させた時の、突歯枚数に対する推力と起磁力および全長寸法の関係を求めることができた。 次に、アクチュエータのコイルに連続通電した時に発生するジュール熱によるコイル温度上昇の基礎検討を行うために、製作が比較的容易な2つの角形磁極部を持つ円筒形電磁比例バルブアクチュエータの試作品の特性について検討を行った。このアクチュエータの外形寸法をφ30~90mmに変えて解析と実験により推力特性を調べたところ、両者は良く一致した。そして、同じ外形寸法、消費電力の市販のバルブアクチュエータである比例ソレノイドと比較したところ、2倍以上の高い推力が得られる見通しが得られた。そこで、このアクチュエータを用いてコイルに連続通電した時の伝熱特性を実験と有限要素法解析により調べた。その結果、コイル温度上昇飽和時の温度は、両者でほぼ一致することが確かめられた。このため、伝熱解析でこのアクチュエータにフィンを取り付ける等の放熱特性向上の方策を検討したところ、コイル消費電力を1.5~2倍程度引き上げても、飽和温度が同程度で抑えられることがわかった。これらの結果より、電磁特性と伝熱特性向上のための基礎検討用試作アクチュエータの設計を行うことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究実施計画であるリニアバルブアクチュエータ開発研究品の電磁特性および伝熱特性の検討が、実験と有限要素法解析の両面から実施できるようになり、また、両者の結果がほぼ一致することを明らかにできた。そして、電磁特性と伝熱特性向上のための新しい基礎検討用試作アクチュエータの設計を行うことができた。

今後の研究の推進方策

平成23年度で新しく設計を行った基礎検討用試作リニアバルブアクチュエータを製作して、電磁特性および伝熱特性の検討を行い、アクチュエータに供給された電力に対して有効に高い推力が得られるかを、実験面と解析面から評価を行う。さらに、複数磁極の形状、寸法などを変えて磁場解析等を援用して磁気特性向上や、伝熱特性向上の検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

上述の研究遂行のために、解析に使用する有限要素法解析ソフト技術サポート、バージョンアップ料と、試作アクチュエータ部品(加工外注)および調査・研究旅費等に使用予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 多数の突歯を持つ高推力な電磁比例バルブアクチュエータの研究2011

    • 著者名/発表者名
      近藤 尚生
    • 雑誌名

      豊田工業高等専門学校研究紀要

      巻: 第44号 ページ: 5~10

  • [雑誌論文] 複数の磁極部を有する高推力な電磁比例バルブアクチュエータの試作研究2011

    • 著者名/発表者名
      近藤 尚生
    • 雑誌名

      第54回 自動制御連合講演会 講演論文集

      巻: 11PR0002 ページ: 1741~1742

  • [学会発表] 複数の磁極部を有する高推力な電磁比例バルブアクチュエータの試作研究2011

    • 著者名/発表者名
      近藤 尚生
    • 学会等名
      計測自動制御学会、システム制御情報学会、日本機械学会、化学工学会、精密工学会、日本航空宇宙学会
    • 発表場所
      豊橋技術科学大学(愛知県)
    • 年月日
      2011年11月20日

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公開日: 2013-07-10  

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