研究課題/領域番号 |
23560277
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研究機関 | 北九州工業高等専門学校 |
研究代表者 |
久池井 茂 北九州工業高等専門学校, 制御情報工学科, 准教授 (50300653)
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研究分担者 |
吉野 慶一 北九州工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (40249876)
川原 浩治 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (20321515)
滝本 隆 北九州工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (60581220)
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キーワード | 生体細胞 / 非接触 / 運動制御 / レーザー / ツイザー / 超微粒子 / 細胞機能 / ナノバイオフォトニクス |
研究概要 |
本研究では,技術シーズである(I)レーザー光を用いた非接触運動制御技術 と(II)画像処理による細胞の機能分析技術を組み合わせることで,生体細胞を自由に動かし,3次元画像から細胞の機能情報を取得できるシステムの研究開発を行った。画像処理を中心としたロボット技術を活用し,現場ニーズで求められる次世代バイオ支援機器を創出することが目的である。 最終年度である平成25年度は,平成24年度までに構築したシステムを用いて,ナノテクノロジー,バイオテクノロジー,フォトニクスという3つの分野の融合技術により,分子レベルの計測,制御を可能とする新しい非接触運動制御手法の提案を行った。ロボット制御技術を活用してシステムの自動化やアプリケーション開発を行い,細胞工学分野の研究者と密に連携し,現場からの意見をシステムの研究開発にフィードバックし,安定した事業化も視野に入れ産業社会への大きな貢献を検討した。 特に,Ds-RED生産量(ng/個)を画像の平均輝度から求めることを実証して,近似曲線のR二乗の値が0.996となり非常に正の相関を得ることができた。これを元に,濃度が不明の細胞画像からある程度の定量を行えることを結論づけ,さらに,非接触運動制御技術を用いて生産量の多い細胞を取り出すことができれば,何万個という細胞の中から単一の個体(クローン)を取得でき,実験操作の時間短縮が望める成果を得た。通常のクローニングには一ヶ月ほどかかっているので,次世代のバイオ支援機器として大きく貢献ができる研究結果である。また,本研究で研究開発した画像処理技術については,産油量の簡易評価,微細藻類の簡易生死判定システムにも応用展開可能であることがわかった。
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