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2011 年度 実施状況報告書

超音波照射による気泡振動を利用したナノ駆動体に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23560278
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

砥綿 篤哉  独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (80357590)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード粒子合成 / ポリオール還元 / 多孔体構造 / 陽極酸化
研究概要

駆動媒体粒子の製造に関する研究―1.まず、媒体粒子として考えられる銅粒子の合成をポリオール法によって行った結果に関して示す。ポリオール法とはポリオール(多価アルコール)の還元力により、金属イオンを還元し、ナノサイズの金属粒子を析出させる方法であり、高価な還元剤を使うことなく、大量に合成できる特徴を持つ。この実験ではポリオールとしてエチレングリコールおよびトリエタノールアミン、さらに還元剤・分散剤としてラフィノースを銅原料に添加した。これらを加熱し、液相中で銅粒子を合成した。さらに銅粒子の新規な形態制御プロセス開発を目指して、反応中に超音波照射を行い、粒子特性を評価した。その結果、電子顕微鏡(FE-SEM)により粒子径はほぼ同じに見えるが、X線回折より(どちらも銅金属であると同定)、結晶子径を比較すると、超音波無照射では、結晶子径が61nmに対し、超音波照射では25nmであった。また、TEM観察よりどちらも表面は数nmの細かい粒子が析出していたが、主体となる粒子は超音波無照射では一つの粒子に見えるのに対し、超音波照射の場合には明らかに一つの粒子の中に粒界が観察され、多結晶体であることがわかる。また、超音波照射の場合には電子線回折は、結晶を示していた。これらのことから、反応中に超音波照射を行うことにより、結晶サイズに影響し、微細なものができることがわかった。2.陽極にアルミニウム板を陰極にカーボン電極を使用し、硫酸またはシュウ酸溶液中でアルミナ陽極酸化膜の作製を行った。硫酸溶液中においては、孔径10-20nm、深さ方向20μm細孔間隔が50nmのアルミナ多孔体構造を形成した。また、シュウ酸溶液中においては、硫酸溶液よりも細孔径が大きくなり、100から200nm、深さ方向9μm、細孔間隔120から220nmを有する構造体を形成した。また、光学顕微鏡へ高速カメラの導入を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

電気化学に関する分野にこれまで馴染みがなかったため、知識の点でも装置の点でも時間を要したため

今後の研究の推進方策

1.駆動媒体の表面の制御:駆動媒体から発生する気泡を駆動媒体の近傍または接触させた状態に維持するために駆動媒体の表面を凹凸形成することを検討する。2.駆動媒体の駆動評価:光学顕微鏡下の二次元領域において実験を行う。外力場に超音波を利用した場合の超音波強度、周波数、溶液の粘度などを変化させ、駆動媒体の移動速度、移動距離、移動軌跡などを調べる。また、駆動状態によっては駆動体の合成方法も検討する。

次年度の研究費の使用計画

駆動媒体の合成、表面改質および駆動評価のための薬品・消耗品のほか、電気化学実験のための消耗品。合成した粒子の粒子評価装置使用料など

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 種々の液相法による銅および銅酸化物粒子の合成2012

    • 著者名/発表者名
      砥綿篤哉
    • 学会等名
      日本セラミックス協会2012年年会
    • 年月日
      2012-03-19
  • [学会発表] 銀ナノ粒子の形態制御を目指した種粒子の導入2011

    • 著者名/発表者名
      砥綿篤哉・安井久一・辻内 亨・小塚晃透
    • 学会等名
      日本セラミックス協会第24回秋季シンポジウム
    • 発表場所
      北海道、北海道大学
    • 年月日
      2011 – 98

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公開日: 2013-07-10  

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