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2012 年度 実施状況報告書

超音波照射による気泡振動を利用したナノ駆動体に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23560278
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

砥綿 篤哉  独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (80357590)

キーワード銀粒子 / 液相合成 / 粒子形状 / 超音波
研究概要

駆動媒体粒子の形状制御手法の検討を行うため、銀ナノ粒子をコポリマーの存在下で合成した。その結果、板状の粒子を生成し、色々な吸収スペクトルを実現した。また温度を制御することにより、620nmをピークに持つスペクトルが得られた。また塩酸を添加することにより平板で大きな粒子が合成され、また水酸化カリウムを添加することにより丸い粒子が合成された。さらに界面活性剤の量を0.25gとすると、ピークが700nmとなる吸収スペクトルが得られた。
さらに超音波を用いた駆動粒子の合成に関して以下の検討を行った。超音波照射によって発生する衝撃波などの物理的作用により原料粒子の微細化(表面積増大)による反応促進やキャビテーションで生じるジェット流により金属イオンと添加剤の撹拌・移動の促進や結晶化潜熱の移動で核生成・粒成長等が影響すると考えられる。そこで可視光分光装置を用いて、銀粒子の生成過程の経時変化を調べた。超音波を照射した場合には、10分後には少しスペクトルのピークが見え始め、40分後には波長430nmにピークが観察され、時間の経過とともに強度は大きくなった。また、開始より90分までスペクトルのピークは420nmから430nmへ高波長側にシフトしていたが、それ以後ピークは430nmであった。光強度は、7時間には27時間かけた反応終了と同じ濃度近くまで達していた。それに対して、超音波を照射しない場合には、4時間たってもスペクトルは見られなかった。 また、27時間でも半分の反応量しか至っていなかった。これらの結果から超音波照射により、キャビテーション現象による酸化銀粒子表面での激しい衝撃波が発生し酸化銀を削り取り、酸化銀の表面を増やすとともに接触する溶液を増加させ、生成する銀ナノ粒子の数も増えたと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

粒子合成法に興味深い現象が見られたため、それに時間を費やしてしまった。その現象は、超音波照射時の周波数の相違による合成粒子径の変化である。この結果が、溶液中で生じるキャビテーションに関係することを理解するためにその発光現象などを観察するなどした。

今後の研究の推進方策

引き続き
1.駆動媒体の表面の制御:駆動媒体から発生する気泡を駆動媒体の近傍または接触させた状態に維持するために駆動媒体の表面を凹凸形成することを検討する。
2.駆動媒体の駆動評価:光学顕微鏡下の二次元領域において実験を行う。外力場に超音波を利用した場合の超音波強度、周波数、溶液の粘度などを変化させ、駆動媒体の移動速度、移動距離、移動軌跡などを調べる。また、駆動状態によっては駆動体の合成方法も検討する。

次年度の研究費の使用計画

駆動媒体の合成、表面改質および駆動評価のための薬品・消耗品のほか、電気化学実験のための消耗品。合成した粒子の粒子評価装置使用料など

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 超音波を利用した銀粒子の液相合成における超音波周波数と一次、二次粒子径との関係

    • 著者名/発表者名
      砥綿 篤哉、安井 久一、辻内 亨、小塚 晃透
    • 学会等名
      日本セラミックス協会2013年 年会
    • 発表場所
      東京工業大学

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公開日: 2014-07-24  

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