研究課題
本申請課題は,計算機上に実現した3次元物理環境において,自律的制御機構をもった仮想生物が環境の変化に対応した生物らしい行動を創発させることにより,生物行動双発の理解を目的とするものである.平成24年度までに,流体環境における高速なシミュレーション環境の構築,中枢パターン生成器(CPG)を用いた行動生成,さらに,複合的人工ニューラルネットワーク(Composite ANN, CANN)を提案し,より複雑な行動生成が可能であることを示した.平成25年度では,より高速な行動生成を可能とするために,主にCANNの学習性能の検証を行った.CANNでは,個別に学習した複数の下位ANNの切り替えを上位ANNでさらに学習することで全体の行動生成を行う手法である.飛翔ロボットや倒立振子の振り上げ問題を対象として,CANNが一般のANNと比較して同じ学習時間でより効率的な学習が可能であることを示した.また,CANNと同数の重みをもつ一つのANNによる学習や,CANNの上位ANNと下位ANNを同時に学習する手法と比較して,下位ANNの学習の後,上位ANNを段階的に学習することの有効性を示した.また,これらの知見を通して,柔軟な動きを生成する筋骨格モデルに基づく生物と複数の飛翔ロボットの群行動生成などに応用して,より生物らしい行動の生成が可能であること,また,学習性能について検討を行った.
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (9件)
Artificial Life and Robotics
巻: vol.17, No. 3-4 ページ: 470-475
巻: 17 (3-4) ページ: 383-387
10.1007/s10015-012-0070-0
精密工学会誌
巻: 79 (6) ページ: 552-558
10.2493/jjspe.79.552