研究課題/領域番号 |
23560281
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
島田 邦雄 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (80251883)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 触覚センサー / 機能性流体 / MCF / 磁性流体 / ゴム / ずり |
研究概要 |
次世代型の未来のロボットや義肢(義手・義足)における実用的な場合には,もっと超高感度で,人間の皮膚に近い柔らかくて伸縮性があり,ツルツル感やザラザラ感についても感受できる触覚ゴムを開発しなければならない.そこで,実用性を見据えて,0.1N以下の超高感度で,人間の皮膚に近い柔らかい伸縮性のあるMCFゴムを開発することを研究目的とする.また,指紋を施した凹凸のある人工皮膚を作成し,平行に力が作用したときの触覚について調べ,ツルツル感やザラザラ感を感受する触覚センサを有する人工皮膚(ゴム)を開発することを研究目的とする.まず,人間の皮膚に近い柔らかい伸縮性のあるMCFゴムを開発した.すなわち,混ぜるCu粉やNi粉などの金属粉の種類や混合濃度,風船ゴムの素材を色々変えて最適なMCFゴムを作成した.さらに,実験装置を使って,MCFゴムを圧縮した時の電気特性と温度特性を調べた結果,電極配置,厚さ等により,電気特性,温度特性が変化することが判明した.次に,指紋を施した凹凸のある人工皮膚を作成し,平行に力が作用したときの触覚について調べ,ツルツル感やザラザラ感を感受する触覚センサを有する人工皮膚(ゴム)を提案した.すなわち,指紋のつけた通常のゴム(非導電性)と,風船ゴムによるMCFゴムを接着し,MCFゴムに導線を接続した.このMCFゴムを使って,本研究を成功させるに当たり事前予備実験として試験的に作成した実験装置を本格的な装置として製作し,指紋の形状に似せた凹凸面を持つMCFゴムが,凹凸面の表面粗さ(RaとRyをあらかじめ計測しておく)を持った面上を滑った時の電気信号(印加電圧に対する出力電流)を計測した.その結果,ザラザラ感やツルツル感は,滑らせる面上の凹凸面の表面粗さ(RaとRyをあらかじめ計測しておく)が変化した時の電気信号の変化として捉えることが出来た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
次世代型の未来のロボットや義肢(義手・義足)における実用的な場合には,もっと超高感度で,人間の皮膚に近い柔らかくて伸縮性があり,ツルツル感やザラザラ感についても感受できる触覚ゴムを開発しなければならない.そこで,実用性を見据えて,0.1N以下の超高感度で,人間の皮膚に近い柔らかい伸縮性のあるMCFゴムを開発することが出来た.また,指紋を施した凹凸のある人工皮膚を作成し,平行に力が作用したときの触覚について調べ,ツルツル感やザラザラ感を感受する触覚センサを有する人工皮膚(ゴム)を開発した.現在,この成果を権利化する作業に入っており,実用化をしてくれる企業を探索中である.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き,次世代型の未来のロボットや義肢(義手・義足)における実用的な場合には,もっと超高感度で,人間の皮膚に近い柔らかくて伸縮性があり,ツルツル感やザラザラ感についても感受できる触覚ゴムのために,実用性を見据えて,0.1N以下の超高感度で,人間の皮膚に近い柔らかい伸縮性のあるMCFゴムを開発する.また,指紋を施した凹凸のある人工皮膚を作成し,平行に力が作用したときの触覚について調べ,より現実的な形での,ツルツル感やザラザラ感を感受する触覚センサを有する人工皮膚(ゴム)を開発する.そして,超高感度で柔軟性・伸張性にある触覚センサや,ツルツル感やザラザラ感を感受する触覚センサにおける電気特性について理論的解明を行い,理論構築を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度に引き続き,風船ゴムによる指紋付きのMCFゴムを開発し,MCFゴムを圧縮した時の電気特性と温度特性を調べる.また,超高感度で柔軟性・伸張性にある触覚センサや,ツルツル感やザラザラ感を感受する触覚センサにおける電気特性について理論的解明を行う.すなわち,本申請者の研究により先に行って提唱した,量子力学における半導体のトンネルダイオード効果と同じ原理を展開することにより,超高感度の指紋つきMCFゴム中に電気が流れる理論的仕組みを解明する.
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