平成24年度までの下記の研究実績を踏まえて,今年度は,MCFゴム触覚センサー作成時における課題点の精査や,発展させた応用研究を行った. (1)実用性を見据えて,0.1N以下の超高感度の人間の皮膚に近い柔らかい伸縮性のあるMCFゴムを作成し,その際,最適な製作手法を得た.(2)このMCFゴムを圧縮した時の電気特性と温度特性を実験的に得た.(3)指紋を施した凹凸のあるMCFゴムとすることによって,平行に力が作用したときの触覚(すなわち,圧縮した時の電気特性と温度特性)について,様々な表面粗さを持つ面上を撫でた時について実験的に調べ,ツルツル感やザラザラ感を感受する触覚センサを有する人工皮膚(ゴム)の最適条件を得た.(4)この触覚センサにおける電気特性について,トンネルダイオード効果からなる量子力学を駆使して理論式を展開し,実験データを理論的に説明した. MCFゴム触覚センサー作成時における課題点については,再現性の実現の度合いや原因について明らかにした.発展させた応用研究としては,MCFゴムの特性とMCFゴム触覚センサーの特性を利用して,簡易ロボットの装着した時や,点字を読み取る装置への応用などの実験を行い,電気信号を得られることを実験的に示した.また,液体状にした触覚センサーとすることによっても電気信号を得られることを実験的に示した.特に,固体状のセンサーの場合との比較,いろんな流路形状でのサンサの可能性について実験的に示した.
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