研究課題
本年度は,唾液の分泌促進を目的とした顔面マッサージのための「データベース機能」の構築を行った.ここでは,高齢者が自分の顔面に指先を触れての顔面マッサージ(指圧運動)に着目した.まず,顔面マッサージの様子を観測するため,人差し指から小指にかけての四つの指腹部の指先力ならびに指先軌道についての計測システムを構築した.シリコンゴムでできた直径約15ミリのリング状の指サック内側の指腹部接触面に薄膜のピエゾ素子型力センサを貼付し,四つの指腹部に加えられた力の計測を行った.一方,指サック外面の爪側にはそれぞれカラーマーカーを貼付し,前年度に構築した画像処理システムにより,指サック上のカラーマーカーの3次元位置を取得し,指先変位量の計測を同時に行った.指先と顔面との接触状態を判別し,このときの指先変位量と指先力の関係から,顔面の指圧部をばね要素でモデル化することで,肌の柔らかさを推定した.また指先変位量と指先力のスカラー積から仕事量を求めた.これらの物理量を指圧運動中に算出し,使用者に対して,指圧の達成度合いを視覚的に表示させるためのGUI(Graphical User Interface)を作成した.GUI上にはカメラ画像を表示し,指圧の様子を使用者が確認できる.また,仕事量については,時間積分したものがGUIツール上インジケータとして現れ,視覚的に指圧運動の実行状況を把握することができる.指先の運動の時系列波形は,データベースとして保存可能である.今後は,構築したシステムを介護の現場で実際に利用し,有効性について検証実験を行う予定である.
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International Journal of Mining, Metallurgy & Mechanical Engineering
巻: Vol.1, No.5 ページ: 324-330
Advanced Materials Research
巻: Vols. 821-822 ページ: 1470-1474