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2013 年度 実績報告書

アルカリイオン混入シリコン酸化膜を用いた超小型振動発電素子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23560287
研究機関静岡大学

研究代表者

橋口 原  静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (70314903)

キーワードエレクトレット / アルカリイオン / MEMS / 静電型アクチュエータ / 振動発電
研究概要

本研究は、アルカリイオンを積極的に導入した酸化膜によるエレクトレット膜の開発、及びそれを用いた振動発電を実証することを主たる目的としている。そのためアルカリイオン混入シリコン酸化膜による発電素子の実証と、各種製造パラメータによる特性の違いの把握、アルカリイオンの長期固定手法の開発を実施した。まずエレクトレット膜の帯電電圧を制御するために、帯電過程をその場観察する手法を開発し、所望の帯電電圧を与えることに成功した。これは製品化する際に極めて重要な要素であり、注入電荷を制御する一般的なエレクトレット膜製造方法と大きく異なる点である。この手法を用いて2ミクロンのギャップを有する櫛歯型アクチュエータに最大380Vの帯電膜を形成できることを示した。この帯電膜を用いて、櫛歯電極を有するカンチレバー型振動発電素子を形成し、外部からボイスコイルで励震して発電実験を行った。その結果発行ダイオードを点滅させることを示し、実効値で0.42μWの発電を確認することができた。また発電素子のモデリングを行い、1mW級の発電素子を作成するための指針を得ることができた。また本エレクトレット方法は、一つのMEMSデバイス内に異なった電圧を制御して帯電することができる。この特性を用いて、静電トランスを実証するとともに、エレクトレットならではの双安定アクチュエータ、線形駆動アクチュエータなどを開発し特許申請を行った。アルカリイオンエレクトレット膜の長期信頼性を調べるために高温加速試験を行い、真空中では-1dB低下の寿命として3万年以上を確認した。さらに表面を保護膜で保護することで、大気中に150℃で保持しても、帯電電圧の劣化が生じないことが確認できた。これによりエレクトレット膜の信頼性がされ、実用的な技術として有用であることが判明した。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 学会発表 (9件) (うち招待講演 1件) 産業財産権 (2件)

  • [学会発表] アルカリイオンエレクトレットを用いた低消費電力MEMSスキャナーの開発2014

    • 著者名/発表者名
      杉山達彦,青山満,芝田泰,橋口 原
    • 学会等名
      平成26年電気学会全国大会
    • 発表場所
      愛媛大学城北キャンパス(愛媛県)
    • 年月日
      20140318-20140320
  • [学会発表] エレクトレットによる低消費電力双安定アクチュエータ2014

    • 著者名/発表者名
      芦澤久幸,三屋裕幸,石橋和徳,杉山達彦,橋口 原
    • 学会等名
      IIP2014 日本機械学会情報・知能・精密機器部門講演会
    • 発表場所
      東洋大学白山キャンパス6号館(東京都)
    • 年月日
      20140318-20140319
  • [学会発表] カリウムイオンエレクトレットの高帯電化と振動発電素子の効率に関する一考察2014

    • 著者名/発表者名
      橋口 原,芝田 泰,杉山達彦
    • 学会等名
      IIP2014 日本機械学会情報・知能・精密機器部門講演会
    • 発表場所
      東洋大学白山キャンパス6号館(東京都)
    • 年月日
      20140318-20140319
  • [学会発表] VERY LOW POWER CONSUMPTION MEMS SCANNER WITH ALKALI ELECTRET COMB DRIVE2014

    • 著者名/発表者名
      T. Sugiyama, M. Aoyama, K.Kawai, G.Hashiguchi
    • 学会等名
      27th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems
    • 発表場所
      San Francisco, USA
    • 年月日
      20140126-20140130
  • [学会発表] ELECTRET-BASED LOW POWER RESONATOR FOR ROBUST PRESSURE SENSOR2014

    • 著者名/発表者名
      H. Mitsuya, H. Ashizawa, T. Sugiyama, H. Fujita, G.Hashiguchi
    • 学会等名
      IEEE MEMS 2014 Conference
    • 発表場所
      San Francisco, USA
    • 年月日
      20140126-20140130
  • [学会発表] リング型振動子側壁の高電荷密度エレクトレット化による圧力計測2013

    • 著者名/発表者名
      三屋裕幸,芦澤久幸,杉山達彦,安宅 学,久米村 百子,藤田 博之,橋口 原
    • 学会等名
      第30回センサ・マイクロマシンと応用シンポジウム
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県)
    • 年月日
      20131105-20131107
  • [学会発表] 埋め込み型エレクトレットに於ける帯電過程のその場観察と高電圧帯電に関する検討2013

    • 著者名/発表者名
      杉山達彦,芝田 泰,橋口 原
    • 学会等名
      電気学会E部門総合研究会フィジカルセンサ研究会
    • 発表場所
      東京工科大学 蒲田キャンパス(東京都)
    • 年月日
      20130808-20130809
  • [学会発表] ELECTROSTATIC MICRO TRANSFORMER USING POTASSIUM ION ELECTRET FORMING ON A COMB-DRIVE ACTUATOR2013

    • 著者名/発表者名
      H.Hayashi, M. Suzuki, T.Sugiyama, G.Hashiguchi
    • 学会等名
      The 17th International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems (Transducers2013)
    • 発表場所
      Barcelona. Spain
    • 年月日
      20130616-20
  • [学会発表] アルカリエレクトレットを用いた高効率、低消費電力デバイス開発とその展開

    • 著者名/発表者名
      橋口原
    • 学会等名
      第25回マイクロナノ先端技術交流会「材料・工法が切り開く技術レイヤ縦断型MEMSの研究」
    • 発表場所
      一般財団法人 マイクロマシンセンター・新テクノサロン(東京都)
    • 招待講演
  • [産業財産権] 静電アクチュエータ及び電位差検出装置2014

    • 発明者名
      橋口 原、杉山達彦
    • 権利者名
      国立大学法人静岡大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2014-88379
    • 出願年月日
      2014-04-22
  • [産業財産権] アクチュエータ、シャッタ装置、流体制御装置、スイッチおよび2次元走査型センサ装置2013

    • 発明者名
      橋口 原他
    • 権利者名
      国立大学法人静岡大学他
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2013-165166
    • 出願年月日
      2013-08-08

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公開日: 2015-05-28  

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