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2012 年度 実施状況報告書

脳波を用いた動作精度の事前推定に基づく予測制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23560294
研究機関関西大学

研究代表者

鈴木 哲  関西大学, システム理工部, 准教授 (50306502)

研究分担者 小谷 賢太郎  関西大学, システム理工学部, 教授 (80288795)
キーワード生体信号処理 / 意図推定 / 予測制御
研究概要

本研究では脳波を用いた動作精度の事前推定に基づき予測制御を想定した機器操作支援システムの構築を目的としている.初年度は動作前の生体情報の取得とその応用方法の検討,およびそのシステム化を行ったが,当該年度はそのシステムの検証実験,さらに動作開始直後の脳波内の情報取得と応用方法の検討およびシステム化への反映を検討した.
まず,前年度試作した,動作開始直前の運動計画の反映とされる脳波であるMRCP(Movement Related Cortical Potential)を利用し動作精度をSVM(Support Vector Machine)を利用し推定するシステムの検証実験を行った.自動車運転を想定し,コンピュータディスプレイの上に表示されたカーソルをハンドルを用いて操作する内容の実験に適用し,どの程度の確率で推定可能か調査した.その結果およそ6割程度の確率で精度推定できることを確認した.
次に,動作開始直後の脳波の情報も考慮することでシステム精度向上を目指した.エラーに関連する電位とされるERN(Error Related Negativity)を調査対象として実験を行ったが,自動車のハンドル操作を想定した動作中にはERNの発生を確認できなかった.そこでさらに詳細な調査を行ったところ,300msec付近の電位に対して差異が確認できた.これは運転動作中における修正運動の反映であると推定され,この電位の発生の有無により修正運動の発生の有無を特定できることを検証実験を行い確認した.
そこで,前年度試作したSVMにより動作精度を推定するシステムに対し,この情報も考慮し動作精度推定を行うよう修正したところ,7割程度の確率で精度推定が可能となることを確認した.一般のBMIの先行研究においては7割程度の精度が必要とされていることから,本研究のシステムについても同等の性能を有していることを確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

精度の推定時に利用する脳波のパラメータについて,前年度特定したパラメータでは精度が不十分であったが,当該年度の調査により精度向上のための新たなパラメータを見出した.検証実験の結果でも精度向上が認められたことから,予定通りの成果が得られていると考えられる.
一方で,ペーストレスの簡易脳波計をはじめとするハードウェアについては,アーチファクトの影響などが強くまだ安定性を欠いていることから,今後さらなる対応を検討する必要がある.

今後の研究の推進方策

最終年度の活動として,当初の予定通り現状での成果発表と,若干開発の遅れが生じているペーストレスの簡易脳波計の改良に重点をおき研究を進める.
成果発表については,人間工学,ヒューマンインタフェース関連の国内,国際学会関連の学会を検討している.
また,簡易脳波計については,日常の作業中の計測を想定し,ペーストレスの電極利用を想定しユーザビリティの向上を目指したが,ペーストレスのコイル電極を用いたことによって,頭皮との接触面積が少なくなり,結果としてアーチファクトの影響を受けやすく安定性を欠く問題が生じた.そこで,今年度はアクティブ電極を利用することや,取得した信号に対する信号処理方法検討し直し対応する予定である.

次年度の研究費の使用計画

当初の予定通り本研究の成果発表を予定し,人間工学,ヒューマンインタフェース関連の国内,国際学会に対して既にエントリを済ませており,そのための出張旅費に利用する予定である.また,人間工学関連の学会誌へ投稿の準備中であり,そのための出張費や掲載料に充当予定である.その他,試作した簡易脳波計の改良のための部品等,一部消耗品に充当予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 運動関連電位と運動精度の関係性調査及びその応用に関する検討

    • 著者名/発表者名
      山岡善樹,中松祐介,横関厚,鈴木哲,朝尾隆文,小谷賢太郎
    • 学会等名
      平成24年度日本人間工学会関西支部大会
    • 発表場所
      関西大学(大阪)

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公開日: 2014-07-24  

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