研究課題/領域番号 |
23560295
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
武居 直行 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (70324803)
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キーワード | 機構 / 省エネルギー / パワーアシスト / 制御 |
研究概要 |
本研究の目的は,実環境で頑健に動作し,可搬性と省エネルギー性を有する人共存ロボットシステムの実現である.高い可搬性と省エネ性を付与するために,研究代表者が発明した弾性体へのポテンシャルエネルギーの蓄積・解放に基づく対応荷重可変な重力補償機構を活用し,昨年度は最大10kgの荷重を想定した福祉支援ロボット用昇降機の試作機での特性検証および最大3kgの荷重を想定した3自由度のサービスロボット用アームの開発を行った. 昇降機の試作機では,おおむね設計した補償力が得られていることが確認できていたが,姿勢によりわずかに誤差が生じる場合があったため,装置内のばねによる補償力を詳細に調べ,理論値との比較を行い,その原因を明らかにした.さらに,外力推定値と操作力の検知により,ワーク荷重に応じて自動で重力補償量を調整し,省エネルギーなパワーアシスト装置を開発した. ロボットアームの試作機では,昨年度導入したカムによる重力補償機構の対応荷重可変機構において,詳細な特性調査実験を行い,さまざまな環境下での動作実験を行った. これらの成果はすでに一部を学会で発表している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では,パンタグラフ型昇降機および3自由度ロボットアームの試作機を平成23年度と平成24年度に分けてそれぞれ試作を行うことを考えていたが,現在は同時並行的に構築を進めており,当初の予定とほぼ同じ進展状況と言える.昨年度は設計理論との検証を行い,理論と合わない部分があったが,原因が明確化してきており,これにより設計論構築へつながり,全体としては順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度には,対応荷重を向上させた重力補償機を開発する.また,サービスロボット用のアームでは,実際の運動制御を実装し,タスクを実施してきているが,より実作業に対する頑強性についての評価を行う. また,ロボットの可動範囲・高低差を考慮して設計を行うことによって,実際の弾性体(ばね)に存在する,自然長,初張力,許容変位量などの制約パラメータを一般的に扱い,弾性体を利用した重力補償機構設計の基礎理論として位置付け,理論を構築する.重力補償として要求される仕様を決めたときに,それを実現するための設計パラメータの範囲を明確化し,弾性体を選定できるだけでなく,誤差要因の解析を行うことで重力補償の誤差を最小化する手法を明らかにする.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は,前年度までの装置を最大限利用しつつ,評価・改良・製作費として機械加工費・電子電気部品費を計上する.また,国内外の学会での調査・成果発表のための旅費を必要とする.さらに論文投稿費を計上する.
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