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2012 年度 実施状況報告書

橋梁用マット型亀裂診断装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23560296
研究機関大阪市立大学

研究代表者

川合 忠雄  大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20177637)

キーワード診断
研究概要

H23年度までは、コンピュータを用いたFEMシミュレーションによる検討において、二次元モデルを用いていた。H24年度は実際の装置における検証を行うために三次元FEMモデルを用いた解析を行った。解析の内容はH23年度と同様であるが、三次元モデルに拡張することにより、(1)衝撃波のき裂での回り込みの発生、(2)モデル境界端での反射が大きな課題となった。実施内容は以下の通りである。
【①加振方法】路面への衝撃力の時刻変化およびその大きさによって診断の精度が変化すると考えられるので、橋梁(路面、鋼床版、Uリブを含む)のFEMモデルを作成し、衝撃力によって生じる波動の伝搬について解析を行った。モデルの作成に当たっては、鋼床版とアスファルトを接合し、鋼床版の下面から衝撃を加えた場合とアスファルトの上面から衝撃を加えた場合について解析を行った。
【②加振点およびセンサーの配置】上記FEMモデルを用いて加振点と亀裂箇所、センサー位置との相対的な関係を種々変化させ、加振装置およびセンサーをどのような配置にしたときに亀裂の検出精度が良くなるかを検討した。アスファルトの上面から衝撃を加えた場
合には、アスファルトの密度が低いために、衝撃がうまく鋼床版に伝わらず、鋼床版に生じている亀裂での反射がほとんど観察できなかった。一方、鋼床版の下面から衝撃を加えた場合には、鋼床版の密度が大きいために、き裂部分での衝撃波の反射もうまく生じた。
センサー位置としては衝撃位置の真上(アスファルトの上面)が一番よく衝撃波を検出することができた。
【③亀裂同定手法の開発】センサーで検出できる衝撃波についてWavelet解析等を用いて解析を行ったが、き裂での反射波以外にも、アスファルトと鋼床版の界面での反射波等、多くの信号が検出された。特に、モデルの仮想的な境界面での反射の影響が大きく、いかにその影響を低減するかに注力した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

三次元FEMモデルの作成において、モデルの仮想的な境界面での反射の影響が非常に大きく、実際の装置では生じない反射波が生じてしまった。研究の対象としている橋梁において精度良く衝撃波のき裂周辺での伝播を把握することが最重要課題であるために、仮想的な境界面での反射を抑えることに注力したために、実験装置等の製作ができない状態になってしまった。

今後の研究の推進方策

三次元FEMモデルにおける課題についてはおよその解決ができそうなので、早急にシミュレーションによる評価を終了し、実験装置の製作ならびに実験によるき裂の検出に取り組む予定である。
実験では、まずは橋梁の実験装置(全長2m程度)および加振機構(1つ)を作製し、昨年度までに開発した手法の検証を行う。モデルには種々の亀裂を組み込む。加振機構については、実際にモデルに加わる衝撃力の計測および評価を行う。また、モデルの橋梁を伝搬する衝撃波についても歪みゲージ等を用いて可能な限り計測する。モデルには数個の加速度センサーを取付け、計測した信号からき裂の位置を昨年度までに開発した手法を用いて検出する。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 画像計測を用いた橋梁の損傷検知手法に関する研究

    • 著者名/発表者名
      水本裕之、川合忠雄
    • 学会等名
      D&D2012
    • 発表場所
      慶應義塾大学 日吉キャンパス

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公開日: 2014-07-24  

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