研究課題/領域番号 |
23560300
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
松丸 隆文 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10313933)
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キーワード | ヒューマン・ロボット・インタラクション(HRI) / ステップ・オン・インタフェース(SOI) / プロジェクタ / レンジ・スキャナ(二次元距離センサ) / RGB-Dセンサ(カラー+深度センサ) / レーザー・ポインタ / 画像処理 / OpenCV |
研究概要 |
[目的]課題である「ステップ・オン・インタフェース(SOI,プロジェクタで投影した操作画面上の任意の位置を操作者が特定することで機器とインタラクションする機能)の高機能化とさまざまな形態での実現」を具現化してゆくこと. [方法]ふたつのアプローチで研究を進めた:(1)レンジ・スキャナ(二次元距離センサ,)の代わりにRGB-Dセンサ(カラー+深度センサ,Microsoft Kinect or ASUS Xtion Pro)を使ったSOIの実現.(2)壁に投影した操作画面をレーザー・ポインタ(LP)で操作する方法の実現. [成果](1)指先タッチ動作: 赤外線カメラによる深度情報に基づいて,操作者の手先から指先を特定し,その指先の背景へのタッチ動作を認識する機能を実現した.1本から5本の指先の認識率は平均80%程度で,タッチ動作の認識も同程度である. (2)LPインタフェース: 投影画面上に照射したLPの光点の認識をWebカメラからの画像をOpenCVで処理することで実現した.On/Offでマウス・クリックを代替し,ドラッグ動作もできることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)指先タッチ動作: 指先の認識やタッチ動作の認識をある程度実現できたことは,大きな進展である.しかし実用上には不十分であり,それらの認識率の向上が今後の課題である. (2)LPインタフェース: カメラ座標系とスクリーン座標系の自動キャリブレ―ションの機能も実現しているが,周囲照度,画面歪み,相対位置などの条件がある程度整っている必要がある.それらの条件を緩めるような頑健性の向上が今後の課題である.
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今後の研究の推進方策 |
(1)指先タッチ動作: 指先の認識率やタッチ動作の認識率の向上に取り組む計画である.具体的には,現行のアルゴリズムの見直し・修正や新しいアルゴリズムの導入により,認識精度の向上を図る.また計算機の演算機能の高性能化により,計測処理時間(サイクル・タイム)の短縮を図る.さらに,Webカメラでマーカの3次元位置を計測する手法を導入し,安価に実現する方法も試みる計画である. (2)LPインタフェース: 投影されたコンピュータ画面に対する操作インタフェースの比較実験を計画している.具体的には,ワイヤレス・マウス,リング・マウス(指に装着し指先で操作できるマウス),Wiiリモコンと比較することで,LPインタフェースの特徴を明らかにする.またWebカメラを雲台付きカメラに置き換え,移動する投影画面に対する自動追尾機能の追加(まずはズーム機能の追加)を試みる計画である.
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次年度の研究費の使用計画 |
上記の今後の推進方策を推進するために使用してゆく.
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