研究課題/領域番号 |
23560303
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研究機関 | 大同大学 |
研究代表者 |
西堀 賢司 大同大学, 工学部, 教授 (50115614)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 光応用計測 / センサ / 距離計測 / プローブ / レーザ光 / 散乱光 / 小径深穴 |
研究概要 |
鋳物肌の平面(測定面)に照射したレーザ光の散乱光をセンサプローブ内のプリズムとイメージコンジット(棒状のロッドレンズ)を経て外部に設置したPSD(Position Sensitive Detector:半導体位置検出素子)またはCCDカメラやCMOSカメラで受光する時の光強度について基礎実験を行った.その結果, PSDではスポット散乱光は光量不足でその重心位置は計測不能であるが,CCDカメラおよびCMOSカメラでは画像処理によりスポット光の位置情報をとらえることができることが分かった. 深穴の直径と鉛直度を測定するための実験装置を設計するに当たり,プローブ側面のピンホールを通過したレーザ光が照射される測定面の傾斜角度に関する基礎実験を行った.その結果,レーザ光に対して計測面の角度が変わっても,計測面までの距離の計測はほとんど影響されないことを確認した.これにより散乱光の利用の優位性が確かめられた.また,CMOS センサおよびCCDセンサを用いることで光量が低いスポット散乱光の位置を良好に算出できることを確認した.その後,平板の計測面までの距離とCCDカメラ上のスポット光の変位との関係となる基本特性を実験的に調べた. 暫定仕様であるが,3本の光ファイバから出力されたレーザ光をボールレンズによって集光し,計測対象物の壁面に照射するプローブを試作した.その際,光源としてピーク波長785 nmの赤外半導体レーザを用い,プローブの投光側には直径 0.2 mm のピンホー ルを設け,外部に照射されるレーザ光の出力は0.5mW未満として,CMOSカメラ上に3個のスポット散乱光を確認できた.今後プリズムなどの位置の最適化を検討する. 研究成果として,計測自動制御学会で論文発表1件を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)鋳物肌の平面(測定面)に照射したレーザ光の散乱光をセンサプローブ内のプリズムとイメージコンジットを経て外部に設置したPSDまたはCCDカメラで受光する時の光強度について基礎実験を行い,PSDでは光量不足であるが,CCDカメラおよびCMOSカメラでは画像処理によりスポット光の位置情報をとらえることができることが確認できた.(2)計測面の傾斜角度に関する基礎実験を行い,散乱光の利用のため計測面の角度が変わっても,計測面までの距離の計測はほとんど影響されないことを確認した.(3) CMOS センサを用いることで光量が低い散乱光の位置を良好に算出できることを確認した.また,計測面までの距離とCMOS上のスポット光の変位との関係となる基本特性を実験的に調べた.
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今後の研究の推進方策 |
3本のレーザ光と受光素子として外部にCCDカメラ1個を用いた円柱状プローブの試作と改良を行う.プローブの外形を限界に近い5mm(長さ200mm以上)にすることによって,世界最小径の非接触プローブの実現を目指す.計測面までの距離と受光素子上のスポット光の位置の関係を実験で調べ,理論と比較する.プリズムの頂角や位置の最適化を目指した改良を行い,実験で確認を行う. 本システムの応用として,ロボット等により被測定物の穴内部に挿入するだけで製品の穴径とその傾きを短時間で測定する非接触挿入式の円柱状センサプローブのシステム設計を行い,その可能性を実験により確かめる.深穴の鉛直度は,深穴にプローブを挿入し,異なる深さ位置で計測した対象物までの距離から求める.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初からの大きな変更はない.次年度使用額10,109円は物品購入後の端数であり,次年度の物品購入費500,000円と合わせて使用する予定である.その他の直接経費は旅費200,000円,人件費・謝金300,000円である.
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