研究課題/領域番号 |
23560306
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
河合 俊和 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (90460766)
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研究分担者 |
中村 達雄 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (70227908)
西澤 祐吏 香川大学, 医学部, 助教 (50545001)
西川 敦 信州大学, 繊維学部, 教授 (20283731)
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キーワード | 鉗子マニピュレータ / ローカル操作インタフェース / 内視鏡下手術 |
研究概要 |
内視鏡下手術で微細な手技を実現するには,臓器を把持して2方向に引張り,十分な張力をかけた状態で切開することが重要となる.しかし,執刀医は自由度の少ない術具を操作し,手の振戦を抑え,内視鏡や鉗子を操る助手と協調する必要がある.これまでに,マスタースレーブ制御によるリモート操作でこれらの課題が解決されたが,緊急時の対応を考えると,患者傍でのローカル操作が安全性の面から優れている.そこで,ローカル操作型の手術ロボットやデバイスの多くが開発されている.しかし,臓器を把持して張力をかける鉗子ロボットは存在しない.そこで,執刀医の第三の手として使い慣れた鉗子を着脱可能で5自由度を備える,ローカル操作型着脱式マニピュレータ(以下LODEM)の研究を進めた. 本年度は,術具を持たない脚の動作を活用する5自由度の非装着な操作インタフェースの研究に主として取り組んだ.まず,脚動作を抽出し,計測実験を行って,足底軌跡と作用力のパターンモデルを構築し,脚動作に伴う足底軌跡と作用力を解析した.つぎに,脚動作認識モデルを考案し,LODEMを操作するオートマトンを構築して,脚操作インタフェースを試作し,LODEMの制御系に実装して評価実験を行った.すなわち,脚動作に伴う足底重心の2次元座標系と作用力を圧力センサで取得して解析し,得られた時間変位パターンを指標とする脚動作の判別モデルを用いた操作インタフェースを試作して,医師による模擬実験の結果から,非装着で5自由度の重心バランスが安定した脚操作インタフェースの有用性を示した. 研究期間全体を通じて,医師と共存して作業できる鉗子マニピュレータ,医師とマニピュレータが協調した作業を行えるローカル操作インタフェースを開発し,その性能や操作性および模擬手術など評価実験を行い,基本性能と課題を明らかにした.
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