研究課題/領域番号 |
23560309
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
津田 理 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10267411)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 超電導 |
研究概要 |
既に作製済みのYBCOダブルパンケーキコイルに使用しているYBCOテープ線材の短尺試料を作製し、テープ線幅広面に直流外部磁場を印加した場合の臨界電流値を、試料両端の電流電圧特性を測定することにより評価した。なお、本試験では、テープ幅広面への磁場印加角度と磁場強度をパラメータとして行った。これにより、0.1T印加時では、テープ面に垂直方向磁場が印加された場合の臨界電流値は、平行磁場印加時の約6割程度、1T印加時は約4割程度にまで減少することがわかった。次に、パンケーキコイル単体ならびにパンケーキコイルをトロイダル配置した場合の、パンケーキコイルを構成する各テープ線の自己インダクタンス、トロイダル配置した場合のパンケーキコイル間の相互インダクタンス、コイル内部の磁場分布、コイルの臨界電流分布、各テープ線の電流分布を評価するための解析モデルを構築し、数値解析コードを作成した。そして、パンケーキコイルのターン数やパンケーキコイル数を変化させ、パンケーキコイル単体の場合と複数のパンケーキコイルをトロイダル配置した場合について、コイル内部の磁場分布を解析し、臨界電流低下の抑制に効果的な、パンケーキコイル単体の構成方法やトロイダル配置方法を明確にした。また、トロイダル配置されているコイルのうちの1つに位置ずれが生じた場合の、各コイル内部における磁場分布とコイル間電流分布について解析した。その結果、トロイダル配置されたパンケーキコイル数が多くない(8個程度)の場合は、わずかなコイル位置のずれに対して、臨界電流はほとんど低下しないことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は、「テープ線への垂直磁場印加による臨界電流密度低下現象のコイルパラメータ依存性の検討」を目的に、(1)YBCOテープ線の臨界電流の磁場印加角度依存性の測定、(2)解析モデルおよび数値解析コードの作成、(3)・(4) コイル内磁場分布のコイルターン数・パンケーキコイル数依存性解析、(5)コイル内磁場分布のコイル位置ずれ依存性解析、(6)コイル内磁場分布の鉄心使用効果解析、の実施を予定していたのに対し、(1)~(5)については、既に実施済みであり、(6)においても、既に着手しており、現在も検討を進めている状況にあることから、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、当初の予定通り「テープ線やコイルの製造誤差に対する並列接続されたコイル間の電流分布特性の解明」を目的に、(7)・(8) コイル間電流分布のテープ線厚さ誤差・コイル位置ずれ依存性解析、(9)テープ線間に絶縁シートを挿入したパンケーキコイルの製作、(10)テープ線厚さ誤差に対するコイル間電流分布測定、(11)コイルの位置ずれに対するコイル間電流分布測定、(12)鉄心使用時のコイル間電流分布測定、を推進する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、当初、平成23年度に予定していたYBCO線材の購入を、今年度に延期することによって生じたものであり、延期したYBCO線材購入に必要な経費として、平成24年度請求額とあわせて使用する予定である。
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