消費者が電力量単価などの情報を受け取ったとき、電気機器の使い方を変更することを需要応答と呼ぶ。本研究の目的は、需要応答を電力システムの新たな制御としたときのシステム安定性を明らかにすることである。アンケート調査と電力システムシミュレータによる需要応答の計測実験、および直接負荷制御による周波数・電圧変動抑制シミュレーションから、電力量単価や電力品質情報に対する需要応答の基本特性と、電力システムを不安定化させる一つの要因が直接負荷制御における制御遅れ時間であることが明らかになった。本研究の成果は進展した需要側管理システムが導入された将来の電力システムの安定運用に資するものである。
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